第56章 プール大会
ケイト「えっと…貰う?」
アルテミス「嫁にだ」きっぱり
フィン「反対だ」しかめっ面&瞑目
腕組したまま嘆息と共に、アルテミスと同様にきっぱりと言い切った。
それを聞いていた眷属達もまた思考が再起したようで、弾かれたように動き出しアルテミスを囲って口々に問い質し出した。
ケイトへどうしたいのかを尋ねてみると…「本人に任せる」とだけ答えられた。
本人の意思を尊重したいのだそうだ…
が、問題は枠だ。
ケイトのそれは全て埋まり切ってしまっている為、その辺も含めて相談してからということにしてもらった。
ケイト「…;」
アルテミス「こうなったら仕方がない!」
フィン「そうだね…このまま話し合っていても埒が明かない」
アルテミス「歌で勝負だ!」
ケイト「え!?;」
フィン「望む所だ!!」
ケイト「いや何で!?;」
次の瞬間…清らかな声と共にアルテミスがハープを何処からか出しながら歌い出した。
ケイト(何でノリノリなの!!?;)
フィンもまた歌い終えたタイミングで繋ぎの歌の如く滑らかに歌い出し、まるで合奏のように聞こえるようで……
ケイト(何でフィンまでノリまくってるの!!?;
ついていけてない私がおかしいの!?;)
テロップ『断じておかしくないと思う』
歌い終えると同時に、私の方へ向いて叫んでこられた。
アルテミス&フィン『判定は!!?』ばっ!!
ケイト「…(どっちでもいいよ;)
(すっ)
カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカーン♪」
咄嗟に合格の鐘を鳴らし「この勝負引き分け!」と伝える中、問答無用で次の勝負へと移行されていった。
勝負方法は多岐にわたり、最後はじゃんけんで無事決まった。
面倒なので自分も割って入り、私の勝ちということで無理やり切り上げさせた。
無事、プールエリアへ帰れるようになったのは夕方…それも逢魔が時になった頃だった。
ケイト「はあ…夕日が眩しい」涙目
妙な感慨にふける中、私の背後では火花を散らし合ったままだった。
フィンとアルテミスが…;