第56章 プール大会
フィン「いい加減…僕も与える側になりたいな…ケイトへ」ぽつり
ケイト「?既に十分幸せを貰ってるよ?」微笑&首傾げ
キラキラとした目で真っ直ぐに僕を見つつ「何を言っているの?」とばかりな純粋な言葉に…
僕は衝動的に、躊躇なく…迷わず抱き締めた。
そんな中…アルテミスの眷属たちが目覚めていく最中…
彼女から、ある言葉がかけられた。
アルテミス「ウレイオス…
いや、ケイト……
私を貰ってくれ^^」
テロップ&周囲『……………』シーン
次の瞬間…静寂が辺りを包み込んだ。
森の中だというのに風もせせらぎも無く、日が上がってきたタイミングでかけられたその声に…
周囲『ええええええええええええええええええ!!!??;』
揃って驚愕のままに叫ぶばかりだった……;
ケイト「どっ、どう、どう!!?;」
アルテミス「…お前が…私の友で良かった^^//」涙目
ケイト「!?!?!!?;」おろおろ&あわあわ
混乱したまま、あちらへこちらへとその場で右往左往するケイトを横目で見ながら…
僕は腕組したまま自身の顎へ左手を当てながらアルテミスの意図を考えつつ、アルテミスへ問いかけた。
フィン「とりあえず…何故、ケイトを?」
アルテミス「…そんなことは決まっている…
お前(ケイト)だからだ」
フィン「気持ちはわかるよ…(ふう(嘆息)&瞑目)
だが…生憎と、これ以上譲る気は毛頭ない」真剣&睨視
アルテミス「…重婚のことについては知っている。
家族という枠組みで、共に居られればそれでいい」
フィン「僅か数分で、かい?
軽いね…
理由としては、もっと深いものだと思っていたけれど」
バチバチバチバチ
凄まじい火花が散り合う中、僕達は互いを牽制し合い続けていた。
僕はこれ以上増やさない為に、そしてアルテミスは…
初めて言葉をかけ、当然のように助けてくれるばかりか見返りを求めない…
その相手を常に慮ろうとするケイトの言動に伴って落ちた、初恋を実らせる為に……
その頃、当の問題の本人であるケイトはというと…
ケイト「え、え?ええ?えええ?ええええ?」おろおろ
理解が一切追い付いていなかった。
この状況は…あれだね。
テロップ『一難去ってまた一難』
僕としてはこれ以上は絶対に受け入れたくはない。