第56章 プール大会
一瞬の懊悩、闇に飲み込まれかけていた際
当時のアルテミスの反応↓
ケイト『お前に、闇は似合わねえよ』←2121ページ参照
当時に言われた言葉が、未だアルテミスの脳裏から離れずにいた。
アルテミス「/////////」ぼしゅううううう
ドッドッドッドッドッドッドッドッドッ!!!!
凄まじい心臓の鼓動と共に、全身が真っ赤になって固まっていた。
ちなみに、ケイトがした言動が後に伝えられた後…異口同音である言葉がケイトへ大声で叫ばれた。
『男前過ぎるだろ!!!』
ケイト「ん?」きょとん&眉顰め
密かに「兄貴」と呼ばれていた理由が、わかった気がした…;
しかし、その時は目の前の変化でいっぱいいっぱいだった。
純粋で、真っ直ぐで…
どれほどの闇も、始祖神の記憶も共に蘇ったとしてもなお…
それよりも、何であったとしても――僕への愛は決して飲み込まれはしないと、させはしないと決意してくれた。←1075,1076ページ参照
誰よりも何よりも愛しく、凛々しく、可憐な、誇らしい同胞(同族)――
その愛は…確かに、彼女へと通じていた。
そして僕もまた…同様に――愛しさが込み上げて堪らないことも、制止さえも知らないほどのものだということも…
僕も、彼女も、どちらもわかり合っていた。
深く、深く、深く…ただ、愛していることを……
背を預け、信じ、共に歩み、隔たりも無く接し合い続ける内に…
互いを認め、拠り所となり、ありのままでいられる掛け替えのない居場所となった。
彼女の隣が、ケイトそのものが…僕にとって最上の場所となった。
ケイトもまた同様に、同じことを抱いてくれていた。
それが…僕もケイトもわかっていた。
だからこそ……たとえ幾度闇に飲まれかけようとも、大丈夫だと思えるほどに…互いへの想いが、何度でも引き戻してくれた。
こんな闇など、何でもないと思えるほどに――慈しみ合っていた。
見返りなく強い愛する想い、自身の幸せよりも相手が幸せであればという愛が…互いを変えた。
ケイトは、僕がささくれだった心を傷ごと癒し、凍て付いた感情を優しく溶かしたという。
僕は両親を喪った頃から止まっていた…いや、自ら止めていた時間をケイトが動かしてくれた。
互いが――互いの心の支え(支柱)となっていた。