第56章 プール大会
その闇は…周囲を空間ごと凍てつかせるほどの圧迫感を見せていた。
ケイト「アルテミスを散々にしたんだ…
てめえ…苦しまずに死ねると思うなよ?」くわっ←真剣&睨視
ずばっ!!
次の瞬間、ケイトが左手のみで抜いたパイオニア(双直刀脇差)の内の一刀に闇の塊を纏わせ、一瞬で核のみを本体から綺麗に切り出した。
そして右手から出した光でアルテミスを覆って保護すると同時に
結合面部分だけでなく、アンタレスが取り込んで1つの命となっている『繋がり』を全て、切り刻んだ。
無論、神の力の供給チューブとなっている繋がりも含め、神の力の繋がりも
アルテミスの中にまだ残っている「アンタレスの存在、もとい概念」の全てに及んでおり、空間ごと復元不可能なほどに断ち切っていた。
右手でアルテミスの肩を抱き寄せ、一言、ケイトは呟いた。
「お前に、闇は似合わねえよ」と――
そうしてアルテミスの残滓と、アンタレスから救出した後
アルテミスがいてもアンタレスが復活しないようにした後で…
アンタレスに向かい合い、核が抜けたことで死ぬ寸前の状態のそれに…ケイトは怒りを露わに攻撃を繰り出そうとし出した。
ケイト「風月流…奥義…
グラン・バースト」
そう言った瞬間、ケイトの周囲に展開されていた闇も全てが刀身に一瞬で集い
50mも離れていてもなおビリビリと伝わってくるほどの『空間を斬り裂く嵐』という次元を超えた一撃が激風と共に振り下ろされ、時間という概念を超えて炸裂する。
ケイト「エンド!」
どごぉっ!!!!
闇がアンタレスに触れた瞬間、アンタレスという存在そのもののみ概念ごと爆散させた。
いや――させられた。
それも強制的に、圧倒的なまでに…魂と霊体のみ除き、全て滅した。
ケイト「次、生まれ変わってくる時は…
幸せな人生を歩めますように……」
ケイトが切なそうな目でアンタレスの魂と霊体があの世へ空間を越えて上がっていくのを見送る中、不意に呟かれた。
ケイト「…」すっ←瞑目&合掌
そして胸の前で両手を合わせた瞬間、闇が一瞬で光へ転じた。
ケイトの持つ魂の力、神の力による祈りを捧げながら…周囲一帯を襲撃前の状態へ復元かつ治した。
フィン(…僕の出る幕はなかった、か…;)
だが、今にも闇に飲まれそうな姿は…隠し切れていなかった。