第8章 死闘と目覚め
!!ぞくっ!
怖い…戦え!
怖い!…戦えっての!!
怖い!!…勇気振り絞れ!
ダメだ、体が怯えている。すくんで動きが鈍っている!
ぎぎっ!!
オッタル(合わせるので手一杯か…
彼女を連れて行くこと。
フレイヤ様から命を授かった以上、加減はしない!)
正面から刃を交えた状態で、強引に横へ流された。
と同時に下からの斬り上げ!?(ばっ!)
がきぃん!!
オッタル(よく見えている。あの方が見込んだだけはある。か…
フレイヤ『いいわね、彼女』
オッタル『無限飛躍ですか?』
フレイヤ『ええ、とてもいいわ。ぞくぞくしてくるぐらい//』にや
フレイヤ『オッタル…あの子が欲しいわ』
オッタル『フレイヤ様のお心のままに』
一週間前までは、容易いことだと思っていた。
だからこそそう答えた。
遠征から帰って来たばかり。それほど絆もない。
強引に捻じ伏せ、連れて行けばと考えていた。
しかし、考えが浅かった。目覚めてからの彼女は、一人になることが無かった。一度でさえも…
今こそが、またとない好機!!)ぎんっ!!←睨み据える
ケイト「!!」びくっ!
オッタル「ここで臆し、戦いを放棄してついてくるか?」
ケイト「誰が!!」
オッタル「その心意気やよし。
ならば示してみせろ。あの方を見初めさせた力を!」
相対しただけで、身体ごと心が震えた。
次元が…違いすぎる!
速度特化じゃない、ただの圧倒的な力。
全てを力で強引に捻じ伏せる様は、まさに【猛者】…
私とは…全く違うタイプ。
ダメだ…体が言っている。心が叫んでる。
勝てない――
真っ黒に塗りつぶされる思考の中、一つの答えだけが煌々と照らし、投影された。