第56章 プール大会
後に、冒険者だということがわかり
フィルヴィスは2人からサインをねだられていたという。
冒険者になってから2つ名を得るだけでも相当大変、ということまでは周知の事実だったそうだ。
そうして…10時を回った頃、ようやくイベントは正式に始まりを告げた。
東エリア、一つ目の難関…
壁がある左手側には階段があり、そのすぐ右隣には流れるプールがあった。
その流れるプールは通常の1.5倍流速で流れており
階段では蹴込み板から3倍流速の水の流速で後ろへ押し出されていった。
レフィーヤ「水を凍らせて登れば!)
(かっ!)←魔法円展開
【エルフ・リング】――
【ウィン・フィンブルヴェトル】!」
即座に水を凍らせ、素早く登っていった。
道中で氷にヒビが入っていき、再び凍らせていた。
この3人チームの場合はそうだったが…ティオネ達の場合では……
ティオネとティオナは泳ぎでも鯉の滝登りの如く登っていき、アイズは風を纏って素早く階段を上っていった。
その方法が現時点での1着であり、レフィーヤ達は4着だった。
フィルヴィスの場合は…スカイボードの原理を利用していた。
フィルヴィスの魔法【ディオ・グレイル(円形のバリアを展開させる防御魔法)】の上に3人全員で乗った後
それをボードに見立て、後は配られた回数限定神剣による火力魔法1回分を
進みたい方向との真逆方向へ指向性を持たせた上でロケットのように噴出させ
それによって、階段を上った先にあるゴール地点まで一気に一息で飛んでいってみせた。
この方法は人も障害も全て飛び越えていったので、2着となっていた。
3着になった者達の方法に関しては…
後先考えず、神剣の回数を残り1回になるまで使い切ってしまったそうだ;
しかし…ゴールにもまた、難関とも言える移動エレベーターがあった。
西エリアから南エリアへの直通エレベーター、それにはある設定が施されており…;
作業盤「9人揃わないと次のエリアへ行けません」
『なんて意地悪な難関!!;』
エレベーター形式で素早く送られていった。