第55章 事件
恐らく…聞いて欲しかったんだろう。
フィン「…そうか」微笑
「あんな人になりてえな。女の人みてえだけどな?^^
どしっとしてて、大丈夫だって安心感があって、俺達の為なら軽く金を渡してくれやがる。
本当…どんな馬鹿なんだよっ;(ぽとっ)
あー、もう…泣けてくらぁっ!;その割に税金なんてねえしよお!;
怪我したり病気したら無償で治してくれっし!;
ここ来てから異常に身体の調子がいいんだよ!!;
神の力って奴か、清浄な地って奴かもしんねえけどよお…」
フィン「ああ…そうだね」微笑
「にしてもまあ…何で黙ってたんだ?」
フィン「……さして言うほどのことでもないからね」肩すくめ
「話してくれりゃあ割引すんのにさあああ!!」
フィン「いや、やめてくれ。
経済が回らなくなる^^;
他の人もやっているのに、一人だけひいきされると困るんだ」
「んなに言ってんだが!
オラがんなことすんのはおめぇらだけだ!!」憮然
そう叫ぶ店主に対し、店主の妻が茶と茶菓子を持ってきた。
「ありがとうごぜぇます。助かりました」土下座
「すーすー」
赤子は気持ちよさそうに背でおんぶ紐に背負われて寝ており
ケイトのすぐ横で今も寝ているだろうアルとディの顔が浮かんだ。
と同時に…無性に家へ帰りたくなった。
フィン「いや…助けたのはケイトだ。
元々…彼女には驚かされてばかりだからね。
本来…普通なら、夢物語だと一笑に付して…諦めていただろう。
けれど…彼女は是が非でも叶えた。
同じ辛苦に焼かれ、死するだろう者達を…理解していながら、放置することが出来なかった。
死ぬからこそ、生は…何よりも尊いものとなる。
生ある時を、死するまで大切なものの命を守ろうと遂げることができる。
それでも……
絶望以外ない…そう言い切れるほどの環境を味わったからこそ……
だからこそ、なのかもしれないね…彼女が、そう動くことが出来たのは。
周りの協力もあったことも起因しているのだろうけれど…
彼女の人柄が無ければ、積み上げてきた実績も、金も無ければ…決して成し得なかっただろうと思う」
「ん!ん!(二度頷&腕組)
鴻鵠(こうこく、意味:大人物)だなあ、ほんと!
リスペクトしてるだよ、オラも嫁っこも!」
フィン「本人が聞いたら…きっと喜ぶだろうね^^//」くす