第55章 事件
「なんだ?!」
「いいからぱっぱと戻ってきな!!」
「今接客中だ!邪魔すんじゃね!!」
「おぎゃーおぎゃー!!!」
「ほら見ろ!あんたがうるさくするから!!」
どう見てもそちら(店主の妻)の声の方が大きい;
フィン「……かかあ天下かい?;」
「頷)んだ。嫁に尻さ敷かれてら。
そっちはどうだ?」
フィン「ンー…大体は僕に合わせてくれる方かな。癒し担当が多いけれど」
「あっはっはっはっはっ!そりゃいいな!^^」
「おぎゃー!!」
「あんた手伝えって言ってんだ!!」
「んだから接客中だって言ってるべ!!
済まねえな、うちの嫁っこが」
フィン「いや。そちらも子供が産まれたばかりかい?」
「おお!生後1か月ってとこだ。ってこたぁお前さんもか?」
フィン「ああ。6月8日、12日ほど前にね」
「おー!そりゃめでてえめでてえ!
めでてえついでに鯛なんてどうだい?刺身か?煮るかい?」
フィン「ああ。やはり…刺身がいいかな?
さっぱりしたものを好む傾向にあるんだけれど」
「そんなら大丈夫だ!
タイも刺身にして食うとうんめえんだ!^^」
フィン「そうか…(微笑)
じゃあ、それもいだだこうかな//」
その時…不思議と、笑みを浮かべて美味しそうに頬張るケイトの姿が浮かんだ。
「ほほおおおおおお」じとおおおお
フィン「?…何だい?;」たじっ
「幸せそうな顔してまあ~~♪(にまにま)
デキ婚か?惑溺って奴かい?溺愛か~?」にやにや
このこのぉっ!と肘でつついてくる店主に、僕は苦笑した。
フィン「ははは^^;」
乾いた笑みを浮かべる僕に、店主は変わらず意気揚々と作業しながら問うた。
「にしても、同じ時期に領主様も子供さ産んだそうだ。
お前、知ってっか?」
フィン「ああ。よく知ってるよ」
「そっか!
領主様んとこの夫…名前、なんて言ったかなあ?
んー…拝顔したことがあるような…(頭捻り)
あ!(ぱんっ!)←手を打つ
そうそう、お前さんに似てたな!^^」←フィンを指さす
ざわざわ
『本人だよ!』
「……え?」
フィン「…;
言わないで貰いたかったんだが;」ぼそ&苦笑&瞑目
その後…言わずもがな、いや予想通り店主が大騒ぎしだした。