第55章 事件
運ばれてくるものの侵入拒否条件の「致命傷を負う」でも
事故や故意ではないもの等が要因だった場合、十分な注意喚起が成されることとなった。
という方針が固まった後、僕は買い物に行くことにした。
リヴェリアとアイズにケイトとアルとディを任せた後で。
刺身が食べたいと言っていたから魚屋へ買いに行くと…
「へいいらっしゃい!」
フィン「刺身を頼みたいんだが
「お任せを!」
フィン「お薦めは何だい?^^;(随分と食い気味に来るなあ」苦笑
「ほおほお。好みは何だい?」
フィン「確か…ヒラメとカンパチ、エビにサケ…だったかな?
あ、あとホタテも」
「おお!それはちょうどいい!
うまい具合に入荷した所だ!まとめ買いすれば値引きするぞぉ?」ずいっ!&こそっ
顔を近付けつつ口の横に手を当てながら囁いてこられる中
冷や汗交じりに苦笑しながら頷いた。
フィン「じゃあ頼むよ;」苦笑
「まいどありぃっ!!」
そう叫ぶが早いか、手早く魚や貝を手に取り
即座に包丁を手に取ると同時に、手早く切って刺身を鮮やかに作り出した。
フィン「へえ…手馴れてるね」
「この道50年だからな!^^
親父の代からやって叩き込まれてきたんだ!
慣れて当然だ!^^♪」
そう叫ぶ中、その鮮やかな手際をショーのように見ている観客も集まってきた。
フィン「…賑わっているね」
「ここコクーンじゃ、食材を買い物できるのは商店街だけだからな!^^
で、旦那ぁ。
ここん所、景気はどうだい?」
フィン「ああ。大いに助かってるよ」微笑
「だろう?!
俺ぁ、ここん所の領主が一番できてる人間だって思うね!
無償で住まい与えてくれるわ、擦り付けられた借金まで肩代わりしてくれるわ、国に移住の説得の為に請求された大金まで出してくれるわ!
大赤字だろうに、それを一切見せねえ…
人としちゃ真似できねえ!
つっても、俺とは違ってパルゥムらしいけど…最初の頃は、人間そのものに絶望してた。
んでも…捨てたもんじゃねえなって思ったよ^^」かっかっかっ!
フィン「そうか…
僕も…同じパルゥムとして嬉しいよ」微笑
「ちがいねえや!^^誇らしいよな!」
「あんたぁ!!!」
そんな時、魚屋の奥から声がした。
女性の声で…店主の妻のようだった。