第55章 事件
アミッド「麻酔から酸素に切り替えて下さい」
私が病室に入った時にはそう言われていて、点滴で痛み止めを打つ所みたい。
人差し指の先を何かに挟まれているそれに、疑問を感じた。
アイズ「これは?」
アミッド「血中酸素濃度を調べる為のものです」
アイズ「72って低いの?」
アミッド「低いです」
アイズ「普通なら?」
アミッド「96です。苦しんでいるでしょう?」
流れるように返事を返す中、アミッドは目もくれずにケイトに向かい合ったまま作業に集中し切っていた。
アミッド「刺しますよ」
ケイト「っ」身悶え&眉間に皺を寄せる
左腕前腕部、手首と肘の中間の血管に針を刺した。
その上で包帯でぐるぐる巻いていた。
ケイト「??」ぼー
まだ麻酔が効いているからか、再びうとうととまどろんで…ほど経たない内に眠りについた。
何で包帯を巻いたのか聞いてみると…
「絶対に起きた時に寝ぼけて抜きますから」と返された。
不思議と納得した。
意識が戻った後にケイトが同じ疑問を感じて聞いてきて、そのまま伝えてみると…
ケイト「うっ…そう言えば1週間寝続けてて点滴してもらった時、寝ぼけて抜いた気が…;
あの時も言ったけれど、ごめんなさい;アミッド;」
そう言って深く頭を下げて謝罪していた。
肺に穴が開いている状態の為、動くことが厳禁。
そう説明されていたんだけれど…説明の途中で、自然と眠りについていた。
そんな時…
フィン「ケイト!!」
ばんっ!!!
扉を乱暴に開けながら、真っ青な顔をしたフィンが飛び込んできた。
きっと、報せを聞くや否や走ってきたのだろう。
そのままケイトへ飛び付くかのように乱暴に抱き締めると同時に、白い光を展開して凄まじい圧迫感が部屋に立ち込めた。
そしてあまりにも眩しくて閉じていた目を開けると…