第55章 事件
アイズ「ケイト!」
そう叫びながら呼び掛けた。
机でまだ温かい料理に舌鼓を打ち、食べ終えたタイミングで突如響いた爆音…
その直後、弾かれるように私は動いた。
ケイトの移動した3階へ向けて、吹き抜けを利用して…
すると…むせ返るような硝煙の臭いに加えて、破片で服に護られていない部位がずたずたに引き裂かれていた。
左足が変な方向に曲がっている。折れてるみたい。
肋骨もやられているみたいで、今も口から血が出続けている。
そこまで状況を分析しながら、携帯の緊急搬送システムを起動した。
即座に出てきた担架に乗せてから送信ボタンを押して一緒に治療院へ送られる中、アルとディもケイトへしがみ付いてついてきていた。
「急患だ!運べ!!」
アル&ディ『びゃあああああああああっっっ;;』
アミッド「離れて下さい!治療の邪魔です!」
アイズ「アル、ディ、ごめん!」
がっ!!
強引に力尽くで気絶させてからベッドへ寝かせる中、アミッドは治療に奔走していた。
折れた肋骨が肺に刺さって血気胸、肺挫傷も起こしている…みたい。
爆風によって強く押されて圧迫されたことで肺挫傷
と同時に肋骨が折れて肺に刺さって、血気胸を起こした…らしい。
けれどよくわからなかった…
そんな時…とにかく、とても息苦しい怪我だと言っていた。
肺の中に溜まった血を出させる為、外に出す為に手術をしないといけないみたい。
骨折した左肋骨の4か所と左腓骨の中間は魔法でくっつけられるし、破片による重度の切り傷や打撲も魔法で治せるが
何よりも問題なのは、肺の中に入って今もある血と空気なのだと言っていた。
それ以外にも、その為の処置や怪我の痛みを軽減する為にも、麻酔をかけたり色々しないといけないとか…
ともかく、今私はアルとディを着替えさせないといけない。
ケイトの血で塗れているから。
そう思って、すぐケイトの家に戻ってアルとディを着替えさせた後で戻ってくると…
肋骨が突き出ていた場所にチューブが刺さったまま、人工呼吸を受けているケイトがベッドに横たわっていた。
蒼白だった顔色が少し良くなっていて、肺からの出血も魔法で治したことで無事に止まったらしい。