第55章 事件
今頃、アイズは幸せそうに食べていることだろう。
頬を染めて、笑みを浮かべながら…さも幸せそうに……
それを思い浮かべて笑っていたのだが、どうやらアルとディはわからないようで…ひたすら首を傾げていた。
ケイト「大きくなったらわかるよ^^」
そうアルとディへ言いながら背を向けて机に置いた折、不思議と何かが迫っているように感じた。
ケイト「ん?」
アル&ディ『う?』
荷物に寄ってくるアルとディに対し…不思議と嫌な予感がした。
チッ、チッ、チッ
何かが時を刻む音…時計かとも思われたが、そんな感じは不思議としない。
悪事をたくらむ人はそもそもコクーンに入れないはずだが…
そこまで考えた矢先、嫌な予感が突如として大きく膨れ上がった。
ケイト「ぞわっ!!)アル!ディ!!」
がばっ!!!
咄嗟に抱き寄せ、荷物へ背を向けるように身を翻した瞬間
かっ!!!!
どっごおおっっっっっっっっ!!!!!!!
閃光と同時に、耳がつんざくほどの爆音が響き渡った。
アルとディへの結界が間に合ったと自覚すると同時に、何かが折れる音と血の味だけが認識を許された。
それ以外はわからないまま床に倒れ伏す中
ぱらぱら
破片が凄まじい勢いで散乱して弾き飛ばし、人間を貫通させるほどの爆弾物。
異世界で戦った相手が持っていたダイナマイトを想起させた。
アル「マンマ…マンマ?」
ピクリとも動かない中…
アル「マンマ!マンマ!!」
ディ「?」
シーン
アル&ディ『……………………………………』
アル「ひっく…えっ;(ぷるぷる&嗚咽)
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ;;;」
ディ「ううっ;;」
アル&ディ『びゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ;;;;;』
ギャン泣きする中でもなお…反応が一切なく、ピクリとも動かない。
その出来事に対してか、何の反応も示さない存在に対してか…
真っ青になりながら駆け寄るアイズが僅かに視界に入る中…意識を手放した。