第8章 死闘と目覚め
ティオネ「それにしても気になってたけど、この十字架は一体何なのよ?
風呂場でも寝る時でも、いつでもどこでも肌身離さずだったじゃない」←ケイトの服の中(胸元)にあるネックレスを引っ張り出す
ケイト「あー。
それはね、一族に代々伝わるだのなんだのってもの。
古代の頃、まだモンスターが蔓延っていた時にこの街を作り出した英雄の子孫だって、誇らしげに言ってた。
西エリアに住んでる人達もまた同じ血を遠からず継いでいるみたいで、だからか強気に出れば何でも叶うって思ってるっぽい。
偉いのはご先祖様であって、子孫である私達じゃないのにねえ?」
『……』ちらっ
リヴェリア(何故私を見る…;)←エルフの王族
ケイト「自分が起こす『今後の行動』こそが胸を張って言える行動であって、先祖のそれを自分がやったように言うのは間違ってるって。
だって自分がその偉業を成し遂げたわけじゃないでしょ?」
『うん』こくこく
ケイト「でも、それを言うとすっごく怒られた。
誇りに思うべきなんだって。
でもそれを誇りにして、他の人をなおざりにしたり虐げたりするのは間違ってるって思うんだ。
姉も薄々気付いててね?たった一人の理解者だったんだよ」
ティオネ「というか何でそんなに純粋でいられたのよ」
ケイト「?それは…(俯)
姉の最期の言葉で、遺言だったから。
自分の考えを持って、何が間違いか見極めること。
その行動を見て鵜呑みにして真似するんじゃなく、疑問を感じること。
いつまでもその純粋さを忘れないでいること!
ここまでが、お姉ちゃんの最期の言葉だった。
だから私はこれだけは捨てなかった。
『痛いのは誰だって嫌でしょう?』って言うのは私の最初の自論で、今も思ってるし。
それに…私の家名の『グレイロア(Graylore)』は灰色伝説という意。
灰にまみれようとも、どうなろうとも貫く意!
だから間違いを間違いだとも思わない連中と同じになるのだけは御免だった。
その道を貫いたからこそ、ここ(オラリオ)に来れて皆(ロキ・ファミリア)と出会えたと思ってる。
精霊に導かれてここまで来て、本当によかったと思うよ。
だから、その……//
これからも…手間かけさせると思うけど、よろしくお願いします」ぺこ
『こちらこそ』ぺこ
返事が速い!!;
皆して温かな眼を向けてくれてるし;