第54章 市民カード
フィン「…君は、強いよ」
ケイト「弱い!!;
だって…だって、守れなくって;」
フィン「守ってくれたじゃないか」
ケイト「!!」瞠目
フィン「どんな時でも…真っ直ぐに接してくれた。
隠さず、思っていることを伝えてくれた。
君と居る時だけは…ありのままでいられた。
腐らず、決して曲がらず、人から言われれば尋ね、きちんと耳を傾けて聞き…
自分の目で見、自分の耳で聞き、自分の頭で考え…人の言葉に流されず動ける。
あるべき姿を見据え、あの世に帰った際に胸を張れる道を必死に模索し、断固として貫こうとする。
真っ当な道をひた走ろうと励む君の姿は…沢山の人へ勇気を齎した。
与えてくれた。
無論、僕も含めてね(くす)
君は…喪っていい人材ではないと、そう思わされた。
気付けば…君を中心に動こうとしていた。
それほどに…僕は、君に惹かれ…何よりも守りたいと、切に望んでいる。
だからこそ…この力を身につけることが出来た」
そう言いながら…白い光、神の力を右手に灯し…私の眼前へと見せつけるように出した。
フィン「…君が道しるべになってくれた。
理想の人物像だと、個人的に思う。
間違った時には責めて然るべきだけれど、今回のはそうじゃない。
君が、君を許せないだけだ。
君がそうしてしまうこともわかるし、そうしたことを否定しようとは思わない。
誰にでもある…喪った人の、誰もが取り得る行動だ」
ケイト「……ぐすっ」
鼻をすする中、光を解いて再び抱き締めた。
フィン「だから…気にしないでいい。
人として避けられない、正常な反応だ。
寧ろ、それを知れて安心するほどにね。
元々君はそういう所をおくびにも出さないというか…そういう所が気にかかっていたわけだし…
だから…嬉しくもある。
ちゃんと…欲求も、治ってきたのだと。
よく考えてみてくれ。
出会ったばかりの君は…誰かに何かを望むことさえも無かっただろう?」
ケイト「…うん」頷
フィン「なら…それは回復の兆しだ」微笑
ケイト「???;」