第54章 市民カード
・夢
ケイト「…?」
ヴェルフィン「どうした?ケイト」
ケイト「あれ…?皆は?コクーンは?」
目を覚ますと…そこは、ヘレイオス街の西の端…
育ての家族が住んでいた家…初めて受け入れられた場所だった。
ヴェルフィン「?(眉顰め)
何をわけのわからないことを言っているんだ?」
ケイト「……」
オリヴァ「ケイト」
ケイト「!!
お母…さん?」
オリヴァ「…そろそろ休みなさい。
もう夜も遅いでしょう?」
ヴェルフィン「それもそうだな。
ケイト、お前も風呂へ入って寝ろ。
鍛冶を教えるのは明日からだ」
ケイト「………うん」
これは…夢なんだろうか?
けれど…確かに…死んだ光景が、今でも忘れられない。
血で1m四方までいっぱいに濡れた床、横たわる皆…
特にお父さんは一番冷たくて…精一杯抵抗したことが見て取れた。
一番温かかったのは…シルキーだった。
お母さんが腕の中にしっかりと抱き締めていて…シルキーを抱き上げるのが大変だった。
オリヴァ「ほら。ベッドへいらっしゃい」
ケイト「…うん」
これまでのことが、夢だったんだろうか?
ヘレイオス街がどうかなったのが、夢だったんじゃないだろうか?
ふと沸き上がる疑念…
それを打ち消すように、お母さんはいつものように子守歌を歌った。
トントン、と布団を被った私の胸あたりを優しくリズミカルに叩きながら…
いつもの日常…温かった温もり…
私の心が…胸が、懐かしさと温かさで溢れた……
シルキー「お姉ちゃんだけずるい!!」むすぅっ!←開いた扉の隙間から顔だけを突っ込んで頬を膨らませている
オリヴァ「あら。起きてきたの?」←シルキーへ目を向ける
シルキー「私も一緒に寝る!」
オリヴァ「困ったわねえ」
ケイト「はははっ^^
いいよ。
一緒に寝よう、シルキー」ぱっ←布団の端を開ける
シルキー「本当?!//(ぱあっ!)
お姉ちゃん大好きぃー!!^^//♪」だきっ!←ケイトへ飛び付く
ケイト「現金な妹めええ^^♪」だきぃっ!←布団ごと抱き返す
シルキー「きゃーっ^^//♪」にこにこ&もぞもぞ←布団に潜り込む
『あっはっはっはっはっ!^^//』
お父さんがいて…お母さんがいて……シルキーがいて…
愛おしさが込み上げて、堪らなくなった^^