第54章 市民カード
ミアハ「…?
でも…どうした?」
ナァーザ「………私が…私の方が、ミアハ様に負担を掛けているのに。
これ以上…掛けたくはない。
心配も…心労も…迷惑も……
もし失敗したら…痛みとか、色んなことで心配するでしょ?」
ミアハ「…ナァーザ。
心配するでない(微笑)
そのようなことを気にすることもない」なで
ナァーザ「でも!!」
ミアハ「ナァーザ。
結果がどう転んだとしても、子が元のように腕を手にできる機会を前に…動かないことはできない。
何も難しく考える必要はないのだ。
お前は十分苦しんだ。
これ以上苦しませたくないというのもまた、私の本心でもある。
お前の素直な気持ちを聞かせて欲しい。
元のような腕に…戻したいと思うか?」
ナァーザ「………戻したい。
戻せるものなら戻したい!!でも!」ぎゅううっ←自身の義手を握り締める
ミアハ「なら、何を迷う必要がある?」
ナァーザ「義手を外すということは!
少なくともその間は片腕で作業をしないといけない!!
それだけじゃない…弱みを握られたみたいで嫌だ!!!」
ミアハ「ふむ…
作業については私が手伝おう。
ディアンケヒトの子も協力してくれるだろう」
ナァーザ「けど!!」
ミアハ「弱みを見せるのが嫌ならば、弱みだと思わせなければよいではないのか?」
ナァーザ「!!」
ミアハ「どうにも…付け入られる隙を与えているようで気に食わないと言っているように、私の耳には聞こえる。
他から見れば弱みかもしれない。
だがそれは弱みなどではなく、恩義だと私は思う」
ナァーザ「……」
ミアハ「なればこそ、恩には恩で答えるべき。
お前の主張を汲もうと、ここまで足を運んだのが証拠だ。
お前の為を想って提案し、また同時に後々気に病まないようここまで心を砕き気を回している。
お前は…それを弱みだと思うのか?」
ナァーザ「……」
ミアハ「さて…その上で問おう。
お前は…どうしたい?
駄々をこねたいか?
それとも…言わねばわからぬか?
たとえどのようになったとしても、お前は愛しい子だ。
最後に残ってくれたお前を誇らしくも思っている。
だからこそ…不便な思いをさせたくはない。
できるのなら、五体満足の状態でいて欲しい。戻って欲しいと、今でも切に望んでいる」
ナァーザ「…っ」ぽろっ