第54章 市民カード
そして正座で説教を受けること数時間後…
10時に至ってから再びケイトは行動に移した。
治療場という施設を作り、病気になった人達の為に使えと言い出したのだ。
と言うのも…薬を作ってもらう条件として言い上げたのが…
借金返済するから紙貸して、とのことだ。
ナァーザ「何か月もタダ働き?」
ケイト「そんなわけないじゃん。
ここからコクーンまで時間がかかるでしょ?
他にもやらないといけない仕事があるだろうし、その合間を縫って作ってもらうから」
ナァーザ「じとおおおお)…」
ケイト「ん?」
ナァーザ「………ディアンケヒトの差し金?」
ケイト「違う違う。
二属性(デュアル)ポーションくれたでしょ?
今後ともよしなにって意味だよ。
レシピは隠蔽し続けたままでいいし完成品が欲しいだけ」
ナァーザ「…裏はない?」
フィン「なかったら最初からこういう風に言わないだろう?」
ナァーザ「…あるの?」
フィン「…君の目には、あれがあるように見えるのかい?」←ケイト指差し
ナァーザ「……………皆無」がくっ
フィン「単なる親切心なんだよ。
契約費として借金分の額を提供。
あとはポーションの代金を払いつつ、適宜調整として必要分となる薬用の医薬品製作依頼とその代金が来る。
仕事の量が増えると同時に、貰える金額も増えるという寸法だそうだ。
こんな話、裏があってしかるべきと思うだろうけれどね…;
生憎、彼女には借金の無い身軽な生活になって欲しいという自己満足のような欲求しかない。
神ミアハとは旧友のようなものらしいし、借金で苦しんでいるのに金も取らずにポーションを配るそれを見ていられなくなったそうだ」
ナァーザ「……ミアハ様、自重して」
ミアハ「いや、だが良き隣人として…死んで欲しくはないだろう?」
ナァーザ「そんな眼で見てもお金は稼げません!!
ただでさえレシピは教えずに技術を提携したというのに!」
ケイト「そのお陰で今までに見たことない最高品質ができたんじゃない。
それを卸してもらえるんだから高額なのは必須。
それに再生医療の治験を受けて貰う条件も加えるつもりだし」
ナァーザ「再生医療?」眉顰め
ケイト「腕が生えてくるの。神の力も魔法も無しに」
ナァーザ「…は?;」訝し気
ミアハ「ほお!何とも興味深い」ごく←息を呑む