第54章 市民カード
ケイト「万が一の時に証明してくれるものは必要だろ?
物だから、ただ本当のことか否かだけを無感情かつ正直に示す。
何が悪か、何が善か…それは相手の主観で全て異なる。
何を悪として受け取るかも、結局は相手のさじ加減一つで簡単に変わるんだ。
それを悪意あって示した行為か否か、それを証明する為に欠かせないんだよ」
フィン「…だとして…言った所で信じられない場合もあるから、かい?」
ケイト「うん。
そもそもが、自分が取った行為でもないのに擦り付けられることだってあるだろう?
たまたま傍に居たから、自分がやったという証拠がないから罷り通るという理由で不都合なことをした人間をそいつにとする輩だっている。
たとえたまたまその場に居合わせて見ていた人が証人になった所で、いくらでも主張が通らない時がある。
特に、多人数を相手にする時は通らないことがほとんどだ。
都合の悪いことは全て己の都合で掻き消されるからな。
そもそも証人が言ってくれない時の方が多い。
第一、言い出した輩に信頼を得ている人が多い場合…勢いのままに無かったことにされる。
多人数の威を借りて、正義はこちらにありとばかりにな。
少人数は全て無視される、無いものとされる。
それ所か多人数がこちらなのだからこちらの常識が正しいと、あちらだけが可笑しいのだと多人数で嘲笑う。
宗教みたいに長い物に巻かれ、ハブられるのを恐れ
その為には人の気持ちも蔑ろにしては自分を保守しようとばかりする。
たとえ見ていたも何も感じないばかりか、助けようとする行為を非難するような眼しか向けないような奴等しか居やしないさ。
残虐なことをやっていても、醜悪だとは誰も思っていない。
集団心理に陥り、囚われ、皆揃えば悪事だろうが何だろうが正義だとばかりに思うが儘に敢行し続ける」
フィン「…人が如何に残虐な存在かについては、よく知っているよ」腕組
ケイト「少なくとも…まともな人なんてほんの一握りだった」
フィン「確かにね…^^;
その優しい人にも、一物抱えている者も多く居たし」