第54章 市民カード
雲王国エリアに建造されているのはアパート、マンション、教会施設、飲食店、公園、広場…
急ごしらえなのでそういったものしかできていない。
ついでに言うと…材料は全て雲なので一瞬で出来上がる。
ということで役所を建ててみた。
そこで皆の名前と魂の本質を読み取り同期させ、一枚のカードを作った。
それは空中都市コクーンの市民であることを示すと同時に、ある4つの機能を有していた。
1つ、空間収納庫。
同機能を持つ携帯やスカイボードもまた収納でき、勉強道具等の必要物資も纏めて入れることが出来る。
ちなみに、入れた瞬間から入れられた物の時間が止まる。生物は入れられないという点は変わっていない。どれだけ入れたとしてもカードの重さが変わらないという点も。
それに伴い、空間収納庫に入れた金額を自然と下ろして支払いを可能とするものもまた出来た。
コクーン限定ではあるが、給料を渡す際にも支払いが早く済む為助かるとのこと。
と言うのも…給料を一人一人渡すのにも準備に時間と引き出しの手間がかかる為、より早くできないだろうかという相談を受けたことがきっかけでできたものだ。
2つ、持ち主特定機能。
目的は言わずもがな、盗難防止だ。
いつ如何なる時も離れず、その身の上を保証かつ保護する目的で付けられた。
「この者はこの国の庇護下にある。手を出せばどうなるか…わかってる?」という脅しめいたものも感じさせられる。
3つ、危険に瀕した際に身を守る機能が込められている。
暴力を振る舞われた場合、国内では結界が皆を守ってくれるが、それ以外の場所に行かなければいけない場合もある。
その為付属されたものだ。
4つ、相手を苦しめたい貶めたい等の害意及び悪意ある行為をした場合は赤に染まって光り、それ以外は白に染まり光る。
これについては……かなり話し合った。
フィン「…それは…カードが無ければ信じることが出来なくなるんじゃ?;」
ケイト「どっちにしろそういうもんだ。
何抱えているかなんて、本人にしかわかんない。
その上で、裏切られてもいいからって信じる。
私がそのカードにそれを託したのは…己の人生を共に生きれる『相棒』とする為だ」微笑
フィン「…?」
言わんとすることがわからず、再び尋ねようとした時…
聞かずとも、すぐに答えは返ってきた。