第54章 市民カード
ロイマン「利権を狙う輩の可能性も考えてしまっていた」
ケイト「利権?何それ」きょとん
フィン「利益を専有する権利。
強いて言うなら…
供与し得る地位にある者達と結託することによって、形式的には公的手続きを経て与えられる権益さ。
要するに、あわよくばお金をむしり取ろうと画策する輩だと思っていい」
ケイト「なるほど。油断も隙もあったもんじゃないね」
ロイマン「お主は好人物だが、腹に何を抱えているかは長く接さねばわからん。
まあ…接するまでもなく一貫しているのは助かりものなのだが…
何故こうだと決め付けようとしていたのかという罪悪感に今苛まれている;」額押さえ&嘆息
フィン「まあ…人間と言うのはそう……(遠い目)←対人経験を思い返し中
ろくでもなししかいないと言っても過言ではないからね」深々嘆息&瞑目&腕組
ケイト「まあ…わからないでもないけれど;」汗
エイナ「あ。そう言えば一つケイトさんに指名依頼が」
ケイト「何?」
エイナ「砂漠の真ん中に湿気があって、水が取れそうなんだけれど硬い岩盤が邪魔して掘れないと。
その更に下に大きな水脈があることは、ケイトさんの国の研究チームが動いてわかったそうなんですが…
できればケイトさん、国からの依頼でお願いしたいとのことです」
ケイト「あー。同盟結んだ所だね。
そう言えばオラリオとも同盟組んでたっけ?」
エイナ「はい」
ケイト「んじゃ、これからもよろしくって送っといて。
お礼に関しては「お金じゃなくて特産品を少し欲しい、水は飢えた者を最優先にしつつ国民の為に使ってね」って」
エイナ「あの…窓に向かって何をするつもりですか…?;
(何故か…とっても嫌な予感が;」
ケイト「大丈夫……
一瞬で終わるさ」微笑
そう振り返って僕達を見やった直後、右掌にエネルギーを集めると同時に書かれた場所の一点のみへと放った。
それは硬い岩盤を穿ち、水脈まで届き…
噴水の如き数多の水が天井知らずに沸き、天高く噴出し続けた。
その水は…ケイトの放った神の力の余波を受け
『傷を癒す神水』へと性質が変わり、未来永劫に渡り湧き続けたという。
後日…無数の特産品が送られ、ケイトもまたコクーンでしか作れない特産品を送り返したという。