第53章 メシア・デイ
終末神の力は、当初の始祖神の力を凌駕していた。
だが、それに加え憑依先の神ガイアの神の力によってより強大化していた。←1467ページ参照
しかし…自らの闇を御し、光を増させる原材料とできていたことでケイト自身の持つ魂の力は一線を画していた。←1385~1387,1393ページ参照
想いは力を引き出す『引き金』に過ぎない。
だが、それはこれまでに重なり合った苦難に伴い…顕著になっていく。
失いたくない。喪いたくない。
こんな苦痛など与えたくない、再び味わいたくはない。
再び紡いだ絆を、想いを消したくない。
こんな胸を張り裂けさせる辛苦も、苦痛も…全て消したい。
でも無かったことになどできない…させたくない。
大切な人との想い出まで、消すことになるから。
それを…彼女が示した「光とも言える『神の力』」が、如実に語っていた。
フィン「…人生、何に繋がっているか…本当にわからないものだね」片目瞑り&肩すくめ
ケイト「だからこそ思うよ。
この世を作った神様は凄い、巡り会わせも込みで綺麗に繋げてるんだもん。
何を為すか、どう示すか…それもまた、本人次第なことに変わりはないけれどね。
動き出さなければ始まらないって点は特に」
フィン「ははっ。確かに^^」
彼女の言葉に、僕は笑った。
僕自身、行動に移していなければ…オラリオまで来なかっただろう。
あのまま村で暮らし続けることを選択していれば…恐らく、ケイトとは出会えなかった。
パルゥムというだけで弱者と決め付けられ、虐げられる環境を変えるという使命の為に動いた。
清濁を併せて呑んででも為そうとした。両親に応える為、叶えようとした。光(フィン)であろうとした。
だからこそ僕達は出会い…恋に落ち…互いを求め合い、ここまで高め合うことが出来た。
神に至れるなど…ケイトに出会う前までの僕ならば、想いもしなかったことだろう。
それほどに…ケイトとの日々は、どれもが濃密だった。