第53章 メシア・デイ
まずは上辺の善意だとは思わせない所からかな…
いや…とっくに知っているか。
そうでなければ…ミノタウロスの件も、ブランシェ襲撃の時の件も…君を護ろうとはしなかった。
自らの保身を優先して逃げていたことだろう、普通の人ならば。街の人々ならば、絶対に。
と言っても、育ての家族…特にヴェルフィンは是が非でも助けに行こうとしただろうね。
彼とは長い付き合いだし、わかっていて放っておけるような愚者じゃない。
フィン「自分から害意を振り撒かない、いつも人の気持ちを第一に考えてしまう。
そこが君の一番の美徳だし、良心的な…僕の理想の人だ」微笑
そう端的に伝えた直後…変化は目に見えてすぐに現れた。
ケイト「…////(かああっ)
あり、がとう///」←耳まで真っ赤
ふいっと目を逸らしながら言うケイトに、僕は思わず笑った。
フィン「ほら。可愛いじゃないか^^(くすくす)
寧ろ…断られててよかったよ。
君を見る目がない輩になんて、取られたくはないしね」肩すくめ&溜息
ケイト「……馬鹿//」ぽつり
フィン「第一、好意を向けてくれた相手へのいじめから救うばかりか、逆に加担している時点で底が知れてるよ」
ケイト「いやいや、でも優しい所も…あって…
多分」ふいっ←視線逸らし
フィン「命懸けで救いに来ると思うかい?」
ケイト「へ?」きょとん
フィン「大勢の、他の圧力に負けて、傷口に塩を塗るようなことを、彼はやったんだろう?」じろり
ケイト「…細目に突くなあ…;」たらーり←視線逸らし右上へ
フィン「…まあ…ともかく……
誰も居なかった。それは、縁が無かったというだけだ。
災難だったということは、変わりようがないだろう。
けれど、だからこそ僕達は出会えた。
そうも、捉えられないか?」
ケイト「……うん。捉えられるよ」
フィン「じゃあ…今を楽しもうか」
ケイト「…うん…ありがとう^^//
あ、それならゲームしようよ!
まだ途中だったし!対戦では負けないぞ!?」
フィン「ああ。
ちょうど僕も、ケイト専用の武器を虹MAXまでやっていたからね。
装備も同じだし、いい所までは行くと思うよ」
ケイト「よっしゃ頑張る!!」キラキラ
フィン「はははっ^^その意気だ!」微笑
元気を取り戻した様子に心底安心して自然と笑みが浮かんだ。