第53章 メシア・デイ
フィン「…君みたいに、ぶつかってきてくれるのは初めてなんだ。
裏表もなく、何の下心も抱いていない。
人は皆…何かしら期待した上で相手へ話しかける。
だが君にはそれが無い。
あるのは純粋な好意と…僕達を大切に、大事にしようと思い遣る言動。
利用などしようともせず、力も借りようとも…ましてや、頼ろうとさえもしない」
ケイト「…それは……迷惑…かなあって。
邪魔になるのも嫌だし…
決め付けられたり嫌われたりでされるのが当たり前だったから、だから余計に…大事だからって」
フィン「…うん。僕はね…そんな人に、出会ったことは無かった(なで)←頭を撫でて微笑みかける
たとえ出会ったとしても、それは本でだけ。
それこそ…夢物語のような存在でしかない」
ケイト「…知ってる…私も、出会ったことは無い。
けれど、決めたんだ。こう在ろうって…
胸を張って、「頑張ったぞ!」ってあの世に帰った時に皆に言える自分で居たい。
後は試行錯誤の繰り返しで…
ありのままで居ていいんだって知ってからは…ちゃんと、言いたいことを伝えようと努力できるようになった。
たとえ理解されようとされなかろうと…あの世で神は見ている。
神様だけは…本質を見て、理解してくれる。
ずっと…この世で犯した罪は、業として魂に刻み込まれて…決して消えない。
消えることも許されない。
ただ、自分という在り方として…見られるだけ。
なら…後悔しないように生きようって決めた。
頑張り続けることに決めたんだ、あの世に行くまでずっと」
フィン「…ああ…わかってるよ。
僕も神の力を得て、霊感も同時に得たからね。
だから…益々好きになった。
君という存在を知る度、深みを理解していく度に…愛おしさが込み上げて仕方ない。
庇護欲が掻き立てられる。
と同時に、反応が面白いから嗜虐心も刺激される」
ケイト「いたずら小僧め」じと目
フィン「くす)…否定はしないよ(微笑&瞑目)
でも…後悔はしていない。
君に出会えて…僕の見える世界は変わった。
何より…君は温かに接してくれた。
純粋で、直向きで…実直で…人に応えようと努力できる。
どれだけ追い詰められようとも…君は、人を第一としていたね。
自分を第一としてやり返すことなんて、その気になればいつでもどこでもできただろうに」