第52章 メシア・デイ・イヴ
その場面は…
世界中からコクーンへ集まった人々へ目撃された。
その主な方法が周回バスで、全員からの歓声が最高潮に沸き上がった。
何故バスについて話したかについては、交通手段について明記する為だ。
ちなみに、バス停の前にある窪みはバスの底と密着する為、立ち入り禁止。
未生物も生物も立ち入れないよう結界が張られている。
密着時には雲タイヤはバスの底にある厚み30cmの壁内へ圧縮収納され、移動もできないただの箱となる。
客が全て乗って扉が閉まった後
再び収納された雲タイヤの圧縮を少しずつ弱めると共に、3秒かけて緩やかに箱は持ち上げられる。
そしてタイヤの回転に伴い進んでいく。
柔らかく丈夫、衝撃吸収も備えた雲タイヤ。
なおかつ一定の高さになるよう形を変える機能もある為、一切振動も変化も揺れも感じさせない作りとなっている。
支払方法に関しては、携帯をかざすだけ。
というのも、新たなアップデートを経て「携帯の中に入れた金額」をもとに支払われるからだ。
降りる時は一方通行で、一人一人各自の携帯で支払うよう指示されている。
先払いではなく後払いと統一されており、入口から出ることはできないよう結界が張られている。
これらは余談ではあるが…バスについての補足である。
唇を奪う中…僕の想いはきちんと受け取ってくれたようで、心に湧き上がる感情を必死に処理しようとしているようにも見えた。
ケイト「…//
嬉しいような…でも、恥ずかしいような//」おろおろ
おろおろと目を泳がせ、自身の側頭部を掻きながら動揺を露わにするケイトに…僕は笑った。
フィン「ふふっ^^//
あ~~っ…
本当に、愛しい//…可愛いなあ//」微笑
ぎゅうっ
抱き締める力を強め、頬へキスを落とし…頭を、背を、優しく撫でた。