第7章 恋と自覚
それまでの僕は家族だと言いながらも、それほど深入りもしなかった。
だというのに…彼女と出会って、気付けば深く肩入れしていた。
気付かぬ内に、深く、強く…護りたいと思っていた。
真っ直ぐに向き合ってくれる彼女を、愚直に信じてくれる彼女を…愛しいと想った。
話すことだけでも勇気が要ったはずだろうに、それでも伝えてくれた。
だから自然とあの時(76~80ページ参照)、伝えようと口を動かしていた。
その時点で、わかり切っていたはずだった。
あんなにたくさん、伝えようとすること自体それまでの僕にはなかったことだから。
君が笑うと安心した。笑みが零れた。声を聴くだけで楽しかった。何故か不思議と嬉しかった。
彼女が馬鹿なこと(パンツ騒動)をしでかした時は、それを聞いただけでおかしくて仕方なかった。
君がいるだけで…ただそれだけで、安心して…起きる予定の時刻を超えて寝過ごした。
昨晩、一日中悩んだ。
妻に相応しい『小人族』と結婚すると決めて飛び出してきたはずだった。
小人族の象徴となる『僕の後継者』となる子孫を作るつもりだった。
それが、恋を味わって…変わりつつあった。
『それがどうした』と、フィアナの件で話し合った時に思った。
本当の『勇気』という姿を、君の中に見た。
愛しい想いが込み上げて、止まらなくなった。
告白に踏み切れたのは、それでもなおそうしたいと願ったのは…君のお陰だった。
フィン「…だから……妻として相応しくないとか言い出さないでくれよ?」
ケイト「…わかった」こっくり
フィン「たとえ後継者がハーフだとしても、それで世間から何かしら言われようとも、君と僕の子孫ならきっと大丈夫だと信じられる^^
だからこそ、結婚を申し出たんだから//
あの時、冷静な体を装っていたけどああ見えて内心ドキドキだった^^//」くすくす
ケイト「そっか//私もすっごいドキドキだった!!」
フィン「うん。見ててすぐわかった」にっこり
ケイト「嘘!?;」ガーン!
フィン「とってもわかりやすい方だよ、君は^^」くすくす
ただこれだけのやり取りで、幸せで仕方ないと思った。