第7章 恋と自覚
遠くで、一つのやり取りが聞こえた。
リヴェリア「待て!!待たんか!!」
ロキ「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!^^//」
楽しそうな声と、怒ったような声が同時に執務室まで聞こえる中…
何があったのかケイトに問うと昔からの理由でのことだった。
プライベートまで自然と潜り込んでくる癖があるからね、ロキは(片目瞑り苦笑交じりに溜息を零す)
説明を受けた後で、「いつものことだ^^;」と苦笑した。
ケイト「フィン…私も、フィアナを信仰するよ」
フィン「?そんなことをする必要は」
ケイト「あるよ。
私が信仰するのは、心の中に宿る勇気(ぐっ)
それこそが『フィアナ』だから!」きっぱり
フィン「…ふっ。それでこそ、僕の妻だ^^//」くっくっ←もうなる前提
ケイト「!//
つ、妻とか関係なしに信仰したいって思っただけだよ//」あせあせ
フィン「そういうことにしておこう^^//」くすくす←内心喜んでいる
ケイト「ホントだよ!?;ホントなんだからね!?;」←両手をパタパタさせている
フィン「知ってる知ってる^^」ぽんぽんっ←軽く頭を撫でる
彼女と触れ合っている内に…大切な何かを与えられた。
悪意など欠片も持ち合わせていない彼女と向かい合ったことで。
人への想いに焦がれた、君の優しさに触れて…温かさに触れて、胸の奥がじくじくと熱をあげた。
彼女を護りたいと、自然と思った。
その純粋なままの彼女を、護りたいと思った。
この世は醜く穢れに満ちている。
悪意と醜聞に満ち、いい所よりも目に付く悪い所を重要視する。
人柄など、見る人も信じようとする人などいない。ろくに信じられるものでもない。
たくさんのものを見てきた。だからこそ、思った。
幼い外見から見下されやすい、フィアナの件もあって腐りかけた小人族の再興を目指した。
小人族の象徴、自身の後継者となる子孫を作る為、密かに嫁探しをしていた。
ロキとは互いに利害関係で協力しているに過ぎなかった。
ファミリアに思い入れはあっても、最優先事項は小人族の再興と嫁探しと決めていた。
それでも…それ以上に君が眩しく感じた。
どこまでも真っ直ぐで、純粋で、温かで…人を害する行為を行おうとはしない。
君に大好きだと言われたあの時…『好きだ』という言葉が、自然と口から出た。