第52章 メシア・デイ・イヴ
ヘファイストス「要は…人としての在り方を一考すべき。
人のあらを見て責める前に、自分の言動を見てみろ。
醜いのはそちらだと。
「自然と同じように捉え、受け入れ、あるがままに生きよ」
そう言いたいのね」微笑
精霊王「うむ」頷
ロキ「まあ規範の三善美の中にある内容やな」←1732~1734ページ参照
フレイヤ「自分と他の違いを『悪』とせず、俯瞰して受け入れよ。
自分の求める在り方を他へ強要するな。と…
そう言いたいのね」
精霊王「早い話が…在り方は本人の自由。
自分の求める形に変えろなど、自然には雄大過ぎてできん。
それと同じだと捉えれば、多少は溜飲も下がる。
いつまでも引きずり他を貶め続ける在り方は醜く愚か。
動物でさえもせん、狡猾で最低な行い。
だからいじめを強要した者も、いじめを行使した者も同罪じゃ。
心が痛まなかったのなら、それでもなお続けてきたのならば…猶更のお。
それを理解してもらえれば、という感じじゃな」
フレイヤ「できないから、ここ下界に生まれ変わってきているのだけれどね…」
ヘファイストス「それにしても大したものね…
言われずとも、そこまで考えた上で三善美を作り上げるなんて。
あなたの在り方から学んだのもあったのでしょうね」
精霊王「生憎…実際にオラリオに住む人々に触れたことが多いと思うぞ?
ヘレイオス街の連中はあれじゃったし。
結果として…人生上、最も大きな刺激になった。
いい人ばかりじゃったからな、ロキ・ファミリアは。
他のファミリアは知らんが、ファミリアという名を背負っているのだから悪質な行為はそうできん。ファミリアの評判に関わるからな。
オラリオに悪人が蔓延らんのはそれが一番の原因かもしれんが」
ロキ「でも何で常に最悪の状況を考えるようになったんや?」
精霊王「常にそうしていないと心が壊れておったからに他ならん。
考えてもみよ。
常に最悪のことをされる前提で人と触れ合えば、もしされたとしても傷は最小限で済むじゃろ?」
ロキ「なるほど…
で、うちらはそういうこと一切ずっとせんかったから余計嬉しくって大事にしてくれるばかりか、是が非でも力になろうとばっかりし続けたと」
精霊王「犬よりも義理堅いからな、ケイトは」もぐもぐ
フレイヤ「だから好き^^//」
精霊王「わかる!!」うんうん