第52章 メシア・デイ・イヴ
ウィーネ「……違うからって…嫌われたりしない?
狙われない?」
命「はい!勿論です。
一介の領民として認められたからには庇護下に置かれます。
是が非でも護ろうとしてくれるので^^」
ウィーネ「…本当?」うるうる
命「ええ。
ここが証拠です。
この6日間ウィーネ殿が狙われることもありませんでしたし、世界一安全な場所と銘打たれているのですから!」
春姫「そうですね…
穏やかな気風で、殺気立ってもいなくて…
帯剣している人もいるのに、不思議と怖くありませんでした」
リリ「犯罪行為をした瞬間に固まる、という訳ですね…;
神の力あっての配備というか…;」
ウィーネ「…よかった」ぽろぽろ
ベル「…ここは…異端児達が安心して暮らせる楽園なのかもしれないね。
でもここで暮らす上での規則は3つだけなんだよね。←1732~1734ページ参照
確か…
理不尽な暴力や暴言は慎んで、善と悪は人の視点によって変わる、助けとなることを心掛けよって感じだったかな」
リリ「ギルドに納める目的以外の税もありませんしね;」
ヴェルフ「土地代も取らないのか?;」
春姫「そもそもお金に替えられるものではないと言っていました。
それに土地は精霊王の森の地をコピーして作ったと聞いてます」
『ええ!?』
春姫「土地自身は所有物などではなく、大地に拡がる雄大なもの。
元々個人や国家のみのものではない。
暮らし、住む上で必要となるものだから、与える際に金を取るのは筋違いだと」
命「素晴らしい考えですね…感服致しました!^^」
リリ「それで経営が成り立っているんでしょうか・・;」
ベル「出資者がケイトさんらしいからね…^^;」
ヴェルフ「裏で支えられているってことか」
ベル「だからかな?
領民からとても慕われてるんだ。
身分も権力も笠に着ないというか…そういう人だから」
命「けれど領民には個人の家として与えていましたね。
職を求めてわざわざ遠国から赴く人までいますし
その人の為にアパートやマンションもできましたが、まだまだ溢れ返っていますし」
ベル「それだけ魅力的ってことじゃないかな?
時給1000ヴァリスなんて聞いたことないし…;」遠い目
リリ「下手な冒険者より儲かってますよね;」遠い目
全く関係ない話ばかりしている観客席の6人である。