第52章 メシア・デイ・イヴ
がっ!!!!!!!!!
その激突は熾烈を極めた――
左人差し指の先に集約させたケイトの一点のみの魔力壁、アイズの必殺技。
互いが激突し合った一点、そこのみへ集中し合った一撃は閃光となりて…
火花を散らし、一点を中心に爆風が巻き上がり続け、誰も踏み込めない領域を造り出していた。
激突し合い続ける中、双方共に一歩も引かず…
その勢いも衝撃波までも増してゆき、範囲までも共鳴するかのように拡がっていくばかりだった。
ケイト…
私は…あなたに、追い付きたかった。
追い付いて…伝えたい言葉がある。
あなたと…生涯、共に生きたいと――
お母さん『あなたも素敵な相手に出会えるといいね』←924ページ参照
見つけたよ――
お父さん『いつか、お前だけの英雄にめぐり逢えるといいな』
うん――めぐり逢えた……
私の前に…英雄は、現れてくれた。
隻眼の竜を倒す悲願を果たして、お父さんとお母さんの亡骸を取り返してくれた。←1306ページ参照
私に対して…見守ってくれていると教えてくれた。←91~94ページ参照
大丈夫だと、必ず守ると言ってくれた。
私も…あなたを守りたい!!
だから……
これだけは、絶対に…何を賭してでも!!
叶えてみせる!!!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ――
想いを乗せた一撃…
それはうねりを上げ、激流となり……
ドッッッッ!!!!
互いが、同時に後ろへと弾き飛ばされた。
フィン「!」パシッ!
咄嗟に飛んでくるケイトの背をフィンが受け止める中
私は間髪入れずに壁を足場にもう一度必殺技を繰り出した。
ケイト「そう何度も、奥の手は出すもんじゃない」
ふっ!
狙っていたケイトが一瞬で左横へ移動した。
視界で僅かに映った残像の動きを追って、左横を見ると共に合わせる為に刃を向けようとした瞬間
がっ!!!
その間に右横へ移ると共に繰り出されたケイトの一撃(左鉄拳)を、まともに喰らった。