第52章 メシア・デイ・イヴ
ロキ「開眼)!!…
この感じは!
エネルギーか!!
って元に戻っとるやんか!!;」
テロップ『密度順:エネルギー→物質→エネルギー』
それに対し…フレイヤは静かに頭を振った。
怪訝な眼をロキから向けられる中、フレイヤは口を開く。
フレイヤ「違うわ…
エネルギーはエネルギーでも、最初のそれではない。
桁違いに跳ね上がった…魔力以外の存在がない高純度のもの……」
ヘファイストス「?…どういうこと?」眉顰め
フレイヤ「本来…エネルギーというものは希薄なの。
隙間が多くて結び付きが薄いもの。
だから体内ならば、通り道にある細胞に勢いよく流しても悪影響が出ない。
周りが物質だらけだから、密度が薄い方が体内を通りやすいのよ」
ヘファイストス「なるほどね…
それを制御して物質と化すほどの密度にした、と」
フレイヤ「例えるのなら光と同じね。
密度を増せばレーザーのように細胞を殺すこともできる。
物質を燃やし斬ることもできる。
それを物質と化し、最終的には…
物質という理を捻じ曲げるほどの密度へと至った。
つまりを言うと、『極めた』ということになるかしら」
ロキ「…要するに、や…
単なるエネルギーじゃなく、高エネルギー。
それもエネルギー以外の存在がない爆発的なもの。
『神の力(アルカナム)』に匹敵するほどの、理を捻じ曲げるもの=『理を超越した存在』と化したっていうことか」
ヘファイストス「なるほどね…
だとしたら、とんでもないわね」
フレイヤ「ええ…
魔力だけで、それを成し得ているのだから。
数値(ステイタス)を封印しているはずなのに、それを成し得ている。
5000年の時の間に、一瞬でそれが実現できるよう修業したのかもしれないわね。
始祖神の闇…すなわち終末神によって「数値も神の力も封印された空間での使用を課せられる状況」を想定した上での修業じゃないかしら?」
ロキ「なるほどなあ」
ヘファイストス「末恐ろしいわね…;」
フレイヤ「その5000年のお陰で、これほどまでになった。
美しさがより一層熟成しているように感じるわ」ふふっ
ケイト「ゾクッゾクゥッ!!)!!;」さあっ!!←真っ青(血の気が引いた)
フィン「?どうかしたのかい?」
ケイト「い…いや……何でだろ?;」苦笑←冷や汗だらだら