第52章 メシア・デイ・イヴ
『膂力衆にまさる』という言葉がある。
筋肉だけで多くの人に勝てるという意味だろう。
今、まさに…その言葉がふさわしい状況になっていた。
「勝てるわけねえだろ!!;」
そう悪態をつかれる中…思わず口をついて出た。
ケイト「これでも手を抜いているんだけど…;」
フィン「本気でやれば竜巻でも起きそうだね」しみじみ&うんうん
とばかりに言う中、槍を一瞬で15回転させると同時に竜巻が本当に起こった。
「化け物め!;」
フィン「心外だなあ;」
ケイト「本当にね;」うんうん
そう言い合う中、高Lv.の冒険者達が前に出た。
「膂力だけじゃない。
魔力を体内で扱う技術――
それが無ければ元来成し得ない力なのだから」という言葉と共に。
理に適った言葉に何も言い返せない挑戦者を置いて、攻め上がるのは…
ケイト「おー…
ロキ・ファミリアとフレイヤ・ファミリア…ガネーシャ・ファミリアまで」
シャクティ「済まないが…多でかからせてもらうぞ」
ケイト「そりゃ…ね。
寧ろ、舐められてないのがわかって嬉しいよ」微笑
フィン「受けて立とう」微笑
互いに構え合い一堂に会する中、神ガネーシャは興奮したように叫ぶ。
ガネーシャ「おっと注目の一戦!!!
ケイト&フィンVS有力ファミリア一同だあああああ!!!!」
『うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!』
最高潮の盛り上がりを見せる中、乱戦が始まりを告げる。
コインが落ちたかの如く、叫び声が闘技場に響き渡るとほぼ同時に…僕達は動いた。
襲い掛かろうとする相手の持つ武器に対し、即座に槍を叩き付けた。
魔導士もまた詠唱を開始し、魔法もまた混ざり周囲一帯を吹き飛ばす。
『わああああああああああああああああああああ!!!!』
アル&ディ『きゃあああう!!><//』
ロキ「どおどお…;
まあ、気持ちもわからんでもないな」にやり
それらの光景を前に、観客達は諸手を上げて歓声を上げる。
賭け事などする暇もないほど、目の前の熱戦に熱中していた。