第7章 恋と自覚
ケイト「考え方も感じ方も、言われなきゃわかんない。何で傷付いたのかも、わからない。
それでもわからないまま責められて、悪い奴だって言われて、嫌な思いばかりさせられた。
傷付いて、苦しくて、仕方なくって…自分を壊すしか、心を…自分を無くすしか…なくって;;
ここに居て…少しずつ、取り戻して…いって…取り戻す度に、怖くなるんだ。
またあそこに戻されたらって、怖くなるんだ。あの傷が疼いて、恐怖と痛みで染まっていく。
いつも黒い何かが見えて、あわよくば利用しようとされてばかりで;;
だから…とても怖くって…仕方、なかった。嫌いだった。大っ嫌いだった。それでも護りたかった。
あんな痛みを、味わって…欲しく、なくって……結果、そのせいで…皆に負担かけちゃったんじゃって……」ぼろぼろ
リヴェリア「巻き込みたくなかったか?」
ケイト「…うん」こく
リヴェリア「それは無理だ」きっぱり
ケイト「え!?;」顔上げる
リヴェリア「考えてもみろ。
お前はもうロキ・ファミリアの一員だ。
勝手に無茶をして一人で遠征を済ませようという馬鹿を放置しておけると思うか?」溜息&片目瞑
ケイト「……う;」
リヴェリア「環境が特殊だからまだ甘え慣れていないんだろう(溜息)
末っ子だからか真っ直ぐに伝える方なのだからまだいい。
ろくに伝えようとせん輩もいるからな、ここには」
ケイト「…そうなの?」
リヴェリア「ああ。
かと言って勝手に潰れるほど柔ではないから容認している」
ベート「へくしゅっ!…?」←その頃のベート(食堂で食事中)
リヴェリア「だがお前の場合は違う。
繊細で、些細なことにも傷付きやすく、真っ直ぐで素直で純粋だ。
良くも悪くも、な。
お前はもともと負担や迷惑をかけるのが嫌で、抱え込みがちな点が多い。
だから吐き出したい時に吐き出すのが一番だ」
ケイト「聞いてた理由はそれで?」
リヴェリア「ああ。お前の考えや心も整理ができるだろう?
理解が進まなければ、何をどうしたらいいかもどうしたいかも定まりはしない。
自分を見つめ直すこともまた重要だ。その為に話して引き出すこともな。
整理してどうだった?
お前は…どうしたい?」
隣に座ったリヴェリアに目を見つめて向き直られ、ソファーに座ったまま考える。
机の上にある紅茶の波紋が心のように微かに揺れた。