第52章 メシア・デイ・イヴ
フィン「もう…二度と…離さない」
そしてまた――僕達は出会えた。
魂もまた…逢瀬を果たすことが出来た。
前世の記憶を生まれる際に無くさされてもなお、魂へ深く刻み込まれた想い……
それが…引き合わせたのかもしれない。
たとえ…どんなに姿形が変わろうとも……互いを求めた。
ケイト「他の人が傷付いても冷静に防げるし、即座に治せる。
でも…フィンが傷付くって考えた瞬間…気付いたら体が動いていた。
傷付いた姿なんて見たくなかったんだ。絶対に」
そうまで言ってくれる彼女に…愛しさが込み上げて堪らなかった。
こうして…
また僕達は…恋に落ちた。
冷めやらぬ恋に、愛しさに…
互いに不老不死になった今…
もう二度と――離れることは無いだろう。
テロップ『「Endless Tears feat. 中村舞子」をバックにどうぞ』
ケイト&フィン『愛している』
強く互いを抱き締め合う中…唇を奪い合った。
アルとディはお腹がいっぱいになったからか、心地よさそうに眠りについている。
乳母車にシートを敷き、そこに寝かせた後…メシア・デイ・イヴの会場へ赴いた。
全ての材料が雲で造られた『雲の王国』。
そこにある闘技場にてメシア・デイ・イヴ、すなわち前夜祭として戦いが繰り広げられる。
前夜祭は18時から。
その前に16時から戦い、つまりあと8時間後だというのに…凄まじく賑わっていた。
前夜祭の為に陣取っている人達もいるわけだが、ちらほら顔見知りも多く…
開会式の開幕の合図の後に遊びに行くつもりの者達も多くいるようだ。
開会式と戦闘、終了時の花火がここ闘技場である為…午前8時の始発で着くはずだというのに、もう既に満席になりつつある。
挨拶は9時からなので、開会式の挨拶の下準備と国賓の方と話し合う為に早めに到着していた。