第52章 メシア・デイ・イヴ
ケイト「!」瞠目
気付いていなかったのか…
今やっと自覚したように、はっとした表情を浮かべていた。
フィン「君は…束縛されるのでもなく、自由に生きてもいいのだと教えたかったんだろう?
僕達と…同じように」
ケイト「…そうだったのか…
そういう訳か……」
そう言いながら上を向き、天を仰ぐ。
自らに言い聞かせるように…ポツリと、本音を漏らした。
ケイト「皆が…何で、私にああ言ってくれたのか…
そう言い続けてくれていたわけが……
今…やっと、わかったよ」俯
フィン「……」
ガレス「ここまで、やっと来たか」
リヴェリア「できるなら…最初から、わかっていて欲しかったがな。
自らの命を軽視し、人の為に尽くそうとする。
自らを大事にしながらならいいが…
所詮、それは自らの破滅と同義になる」
リュー「……頼りたがらないのではなく、頼った所で助けてもらえないから。だったのですね」
ケイト「……
っ…」
膝の上で両手を組む。
過去のことが思い起こされているようで、歯噛みしながら…言葉を呟いた。
ケイト「…すぅー……←一度瞑目し、上を向き…深く息を吸ってから皆を見つめる
ふぅー……
…期待なんて…抱くだけ、無駄だったんだ。
抱くほどに…痛みは増すだけだった。
助けを求めても求めても求めても…どれほど痛くとも苦しくとも、周りは笑っている。
自らに合わせて当然、他は死ねと」
フィン「…ああ。知っている」
ケイト「……
いつも…悪い点だけ見られた。
人に合わせて当然だって、周りはそう言っていた。
自分の心は殺せ、消えろ、居なくなれ。
感じる全てが異常だ、可笑しい。
そう称されては、好きに扱って当然だとばかりに嗤っていた。
さも楽しそうに…自分こそが至上だと言わんがばかりに……」