第52章 メシア・デイ・イヴ
勿論…言わずともわかるだろうが……
ケイト「…ごめんなさい;」たらーり
僕の頬と口の周囲は全て、ケイトの唾液でべとべとになっていた。
無意識下の内とはいえ、そこまで執拗に惚れた女から求められるのは男として本望。
だがしかし…限度がある!;
人としての固定観念が未だ削ぎ落とせていないからか、どうしてもそう考えてしまう。
本人にその気はないとは言え、もっと傍に感じていたいとばかりに、密着していたいとばかりに本能のままに求めてしまう。
うん。嬉しい。
けれど…
フィン「ああ…いいんだ。
僕もさせてもらえれば」キラン
される側の立場というものを味合わせる為にやってみることにした。
が…本人はとても嬉しそうに微笑み、頬まで染め…逆に舐め返す始末だった…;
しまった…ケイトにとっては、これが普通だった;
嫌だ、汚いなどと感じる感性など持ち合わせてはいないだろう;
たとえ持っていたとすれば…最初から人にしたりなどはしないはずだし…;
結論…環境が違う=常識が違うのだから仕方がない;
テロップ『フィンは自分の抱く常識を押し付けることを諦めた!』
…押し付けに見えるのだろうね…ケイトからすれば;
そう考えながらも、人前ではしないように伝えた。
勿論、当たり前だと憮然と叫ばれた。
ケイトが言うには、森では仲間に見せつける行為などではなく、二人っきりで安心し切っている時にする行為らしい。
無意識の内に癖が移ってしまったのだろうが…まあ、仕方ない;
朝5時…
僕達はメシア・デイ・イヴの予定に目を通しつつ
実行現場である空中都市コクーンにて受け入れる準備を進めることにした。
ロキ・ファミリアの皆もまた、いつでも瞬間移動装置で来れるわけだが…
わざわざ手伝いと称して緊急時のそれを使って来てくれた。