第51章 学び舎
フィン「ギルドで特許を貰っただろう?」
ケイト「う…うん?;」
フィン「まずは一つ一つ説明していくよ?
特許とは、国が発明者またはその承継人に対し、「特許権」を付与する行政行為。
つまり国における政治の一環だ」
ケイト「ふむふむ」しゅうう
特許権という言葉で再び頭から煙が上がりかけたが、即座にフォローした。
それにより煙が収まり切ったのを見計らって、再び説明しだした。
フィン「特許権を付与する行政行為。
それを施行させる法律を、「特許法」と呼ばれている。
その目的は「産業の発達」。
それを達成するための手段として、発明の保護と利用を制度として定めることが、この法律の存在意義と言える」
ケイト「おおー。
つまり…発明の内容を社会に公開させる為のもの?なのかな?
特権を得た後、世間に発表されたし」
フィン「頷)ああ。そうとも言える。
特許出願された発明の内容は公開されることになっているからね。
発明者が他者の模倣を恐れて発明内容を秘密にしたのでは
たとえそれがどんなに素晴らしいものだったとしても、その発明が産業・社会に活かされることはない。
いわば、その発明自体が「死んで」しまう。
これでは産業の発達には程遠い。
そこで、特許権による保護を代償として、発明者に対して発明内容の公開を求めるものでもあるんだ」
ケイト「なるほど…」
フィン「次に実用新案法は、物品の形状、構造または組み合わせに関して考案の保護および利用を図ることにより、その考案を奨励し、それにより産業の発達に寄与することを目的とした法律だ」
ケイト「えっと…真似は許しまへんえ?;」
フィン「ああ。そう受け取って構わない。
自然法則を利用した「技術思想」の内、『物品の形状、構造等に係わる考案』について保護すべく設置された法律だ」
ふむふむと説明を聞きながら頷くケイトを一瞥し
話についてこれているかを確認しながら、あと2つの説明を終わらせる為に口を開けた。