第51章 学び舎
特等部、学術科については学者が主に集まっており
学びたい人達と向かい合い、教えることで学びを得ている。
「よりわかりやすく教えるには」「簡潔に纏めるには」…
そう考える場を与えることで、どちらにとっても学びになるという原理だそうだ。
15歳以上でも勉強をしたいという人は、自由に好きな授業を受けることが出来る。
纏めを作っている人、個人的にわかりやすく纏めている人にも機会は与えられる。
遊び人であっても、その視点はある意味大事で…
数多の遊び道具による遊びを通じ、沢山の経験をしたということ。
すなわち、何がいいか、何が悪いかを体験しているからこそ、選り分けることができる。
プロ級にもなるとただ見ただけ、一瞥しただけで判別できる点にある。
それもまた発明科と研究科による合同開発で生み出された娯楽品。
その品定めの際に意見を伝えることを仕事として行ってもらっている。
つまり、合同チームにおける『御意見番』として仕事をしているのだ。
A(1842ページ参照)もまた、同じ職業について飽きないことをコンセプトにした新アトラクションを開発し大反響を生んだのだが…それはまた、5年ほど先の話。
フィン「…かなり、得意分野で偏っている気がするんだが…」
ケイト「苦手分野でも職種につく際に、必要な部分については改善する手助けをしているよ。
努力している内に好きになっていく人だっているからね。
私だってそうだった」
フィン「え?…意外だね」
ケイト「私は、戦いが大っ嫌いだった。
争いが、一方的な暴力や暴言が大っ嫌いで仕方なかった。
でも…戦いにおいては、ちゃんと対応できるようになった。
フィンと戦っている時…技能を高め合っているのを肌で感じて、その時間が…大好きになった。
フィンだけじゃない…
育てのお父さんも…会話しているみたいに、感じ取れて…
その時間が、とても幸せだったと…今では思うし、そう感じている。
頑張っても頑張っても…できないこともある。
するだけで辛いこともある。
生き返らせることとか
長年の習慣による苦手意識とかフラッシュバックとか…
やれるだけやって、どうしても無理なら仕方ない。
それに時間を割いたことを後悔するより
わかったのだから無駄じゃないって自覚させないとね」
フィン「…なるほどね」