第50章 秘密
フィン「ピシッ)…
君は…どうでもいいのか!!?」
ケイト「………
んー……(顎に手を当て考え込む)
不老不死となった者なら、未来永劫大丈夫になる、と、思う」
フィン「そっちじゃない!!」
ケイト「……どうしたの?フィン…駄々っ子みたい」
フィン「黙れ!!」
ケイト「黙らないよ…
これは、必要なことなんだ(真剣)
もし私が結界の礎として魂ごと全てを捧げられたら…
たとえ何があったとしても、守り抜ける結界となる。
何年経とうが、何億年経とうが、未来永劫決して消えない…最も安全な場になる。
そうしたら、今後の子孫は胸を張って言えるでしょ?
例え言った所で、罰を与えられることはない。
与える必要もないほど…結界は強固となる。
だから…止めるのは筋違いだよ。
記憶を消去させるという手も考えたけれど…
完全に消える保証はない。文献に残されているように…
ハイエルフの王族が、私から言われずともその存在を知っていたように……」遠くを見つめる
フィン「今すぐに行く!!」
ケイト「なんか感情だけで暴走してるみたいに見える。
そのまま行っても、自分の立場を悪くするだけだよ?」
フィン「自分の命はどうでもいいのか!!?」
ケイト「……今は…そうじゃないよ…
でも…仕方ないだろう?
もうばらされた後なんだから」
フィン「仕方ないで!!」
ケイト「ん?」
ぽとっ←水滴が床に落ちる
フィン「仕方ないでっ…済ませるな!!」涙震
涙声が、静かな部屋を震わせた。
ケイトの後頭部へ右手を、背へ左手を回し
いつものように抱き締めながらも、決して逃すまい、放すまいと力を強める中…
ケイトは…その温もりに安心してか…
凄まじい眠気に襲われ、抗うこともできずに寝入った。
抱き締めたまま震える僕の声に、身を委ねたまま……