第50章 秘密
ケイト「それがわかってもいたからかな?
死に希望を見いだすことで、楽になりたかった。
そんな想いが、僅かに…根底に、染み付いていたのかもしれない。
話さないでって言ったじゃん…
想像すれば…わかる話だろ?
そんな想いがあったけど…
もう…起こった後で、変えれない。
変えることなんてできない……
厳しい目を向けられてもおかしくないのに、変わらず接してくれるのは…末路が、わかってるからなのかもな。
いずれにせよだ…
跡継ぎを残すまでは死ねないようにされる。
ばらした奴は、極刑が普通。
橋渡しして、いい人と巡り会えたとして…そればかりではないのが実情。
15年も死ねないように、一緒にいれるようにしてくれるんだ…
それだけでも十分だろ^^」
ぱあんっ!!
左頬がじんじんしている感覚が、ケイトを通じて伝わってきた。
それも当然だ、僕が…ケイトを右掌で叩き付けたのだから…
ケイト「……え?」
フィン「ぎりっ!!)…」ぷるぷる
ケイト「ん?どしたの?」きょとん←目を丸くする
フィン「!何とも!何とも…思わないのか?!!」
ケイト「別に?
死ぬことに躊躇いはない。
でも…生きることに望みを持てって言われたし」
フィン「僕を連れていけ!」
ケイト「え?
なに言ってんの?」
フィン「僕を連れていけ!!←胸に手を当てて高らかに叫ぶ
その風習を――廃れさせる!!」
ケイト「はあ?(訝し気&眉顰め)
本気で言ってんの?」
フィン「本気で悪いか!!?」
ケイト「いつになく熱入ってるね。どうしたの?」
フィン「今すぐ話を付けにいく!!!」がたっ!!
ケイト「無駄だと思うけどなあ」
ぶちっ!!
ソファーから立ち上がった直後にかけられたその言葉に…
僕の中にある『堪忍袋の緒』が、音を立てて切れた。