第50章 秘密
6月16日(冒険者84日目)
休日へと日付が変わり、あることを知るきっかけとなる人物がやってきた。
精霊王であり、晩酌を交わしている僕達を前に…いつもとは違い、真剣な表情で言い放ってきた。
精霊王「審判が下される…
理由は…わかっておるな?」
ケイト「ああ…ちゃんと、わかっているよ」
苦しそうに笑いかける中、酔っているからか項垂れて表情は陰りを差していてよく見えずにいた。
精霊王「…子供の件は、任せておけ。
時が来るのは…世継ぎを生み、育てた後じゃ」
ケイト「わかっているよ…
辛い選択をさせて…ごめん」
精霊王「…本当に辛いのは…お主の方じゃろうて。
ゆっくり養生するんじゃぞ?」
ケイト「…ああ…ありがとう」
俯くケイトを尻目に、心配そうな眼を向けた後で
僕へ向き直り、「ケイトを頼む」とお辞儀までして念押ししてこられた。
精霊王が帰った後…審判のことについて尋ねた。
ケイト「…時が来れば…わかる。
久しぶりの酒に酔ったのかな…//」
フィン「…無理は禁物だ」
ケイト「わかってる…
一つだけ…話してないことを教えようと思う」
フィン「何だい?←少し食い気味に隣の席(ソファー)に座る
また愛の言葉でも囁く気かい?//」←ノリノリ
ケイト「^^」
そう笑いかけてから言われた言葉は…
ケイト「私は…最低でも、16年後には死ぬよ」
フィン「!!!」瞠目
予期せぬ言葉の中でも…一番、聞きたくないものだった。
死を予期させる言葉…
それだけは…どう在っても回避したいと望むものに他ならない。