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Unlimited【ダンまち】

第50章 秘密





夫になれた、父になれた。

これ以上ないほどの幸せを、幾度となく与えてくれた。


最初は刺激だった。

恩恵も抜きに、記憶喪失のままLv.6に打ち勝つ異例の強さ。
それも3日3晩走り通しの後、無飲食無睡眠の状態で。

挙句の果てに、散々苦しまされた人達の為に戦い抜いた。
黒竜を相手に丸一日戦い、激闘の末に倒した。


たとえ石や剣を投げ付けられようとも、是が非でも護り抜く為に己の全てを捧げた。

地で英雄の道を行き、あれでも同じ時を生きた家族なのだと後で言う彼女に…←47ページ参照
驚きを隠せず…眩しく、憧れを抱かされた。

ひどく…心が揺さぶられた。


Lv.7が山ほどいてもなお歯牙にもかけられなかったというそれに勝ったというのに、当時Lv.3からLv.4にしか上がらないのが不思議だったが神の力を纏った本人にとっての乗り越えた壁が基準となったのではないかと言われた。



次に…恐れ。


赤の他人、血の繋がらない人から初めて庇われた。

両親と重なった。
最後の最後に気付いた、『勇気ある、尊敬に値するパルゥム』と。

初めて求めた、生前の両親としたかったことを初めてした。
まるで無邪気な子供の時のように求めていた。


今にも死に掛ける姿を前に、恐怖を感じた。

嫌だ、嘘だ、こんなものはあってはいけない。
誰でもいつかは死ぬ、だが今ではない。今であってはならない。

そんな想いと共に、涙を幾度となく零し、求めた。

自らの持つケイトへの想いを強く自覚した。



更にその次は、狂おしいほどの愛おしさ…

互いの想いを理解し合った。し合うことが、初めてできた。


今までにないそれに、今までにないほどに愛しさが込み上げた。

隠し続けてきた過去を打ち明け、受け入れるばかりか求められた。
利用していることに申し訳なさを感じる最中、即座に「皆そうだ」と一蹴された。←720ページ参照


愛し合うこと、理解し合うこと、絆,繋がりが深まること。

どれもが新鮮で…どれもが温かで、眩しく……決して、失いたくないものとなった。



本でそんなものを見ては
そんな理想図など在り得ない、実現しえないと一笑に付していた。


目の前に現れてくれた、こんな僕をありのままに愛し続けてくれる彼女に…
感謝し、求め、愛し合い続けてきた。

夢のような…愛しい日々をくれた。


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