第50章 秘密
ケイト「そう、いじめを平気でできる奴、簡単に口を開いて挟んでくる奴に言っておけ。
「責任の持てない言葉は、死んでも吐き出すな」と。
「あの世でしなければいけない償いの代償を、これ以上大きくしたくないのならば…」とな。
「自分で自分の首を真綿で締め続けていってるのと同じだ」と言ったとしても、目に見えない奴にとっちゃ他人事扱いされる。
止まらない奴は止まらないだろうがな。
「悪気無く言った言葉だ」と言われようとも
「悪気が無ければ何をしてもいいとでも言うつもりか?」と問えばいい」
外道へ向けるような眼のままであることに、変わりはなかった。
見ているのは、ただ…その未来(さき)のことであり、魂の持つ本質だけだった。
アル&ディ『ぎゃあああ;;』
ケイト「はっ!)ごめんごめん;怖かった?;」なでなで
遠くでも感じ取れるほどのものだったようで、アルとディが怖がって泣き叫び出した。
いずれにせよ…それだけ、地獄に落とさせたくはないのだろうという彼女の『想い』は明白だった。
それから…賢明な人は、傷付けるような言葉を吐き掛ける際は前もって言うよと報せた後に言うようになり
思っただけで傷付ける言葉、口を挟むことはしなくなった。
口から出す言葉には責任を持って。
当たり前のことだが、できている人は非常に少ない。
怒りのあまり口から出したとしても、頭が冷えてから後で謝る人も増え出した。
それを偉いと評価されることも多くなり、正当な評価を受けることが出来る環境からまともな人が異常に多くなった。
と言っても…それは、アルルェーチェ街と空中都市コクーンだけの話だが。
住んでいる環境がそうであるかないかだけでも、水準は随分と変わっているようにも思う。
僕が住んでいた場所でも…中々、そういう人はいなかった。
正当な評価も受けられず、差別ばかりされることが当たり前だったから…余計に……
だからこそ、ケイトはあれほどに頑なになっているのだろう――同じ境遇者を出させない為に…