第50章 秘密
フィン「…
「何でそんなに言われなきゃいけねえんだよ」と言う人がいたら、どう言えばいい?」
ケイト「「その台詞、そのまま返す」と伝えといてくれ。
言われたくないのは誰だって同じだろ。
同じ境遇にいない、同じ経験も無い、何もかもが…同じじゃない。
それなのに、好き勝手に言いたいこと言って口を挟む。
「お前に何がわかる?」「知った風な口を叩くな!」と、何度も胸が裂けるほどの激情に駆られるだろうさ。
それをわかっててワザと言い続けてる輩が、何を言っている?」
月明かりの下、携帯と向かい合ったままの僕へ顔を向けたままケイトは言った後
1階の台所から近い側のソファーに座った僕から見て真向かいのそれへ腰かけ
溜息交じりに足を組んで背を預け、月を見つめながら言葉を更に続けた。
夜も更けてきたこともあってか、暖炉の傍のソファーにアルとディを寝かし付けた後のことだった。