第49章 真の力
ケイト「……」
フィン「今や君は…5000人もの領民を助け、纏め上げる領主だ。
領民も皆、心配している。
君は…人のこととなると懸命に頑張るのに、自分のこととなると頑張らない所が目立つから…」
ケイト「…過労で倒れないかって?」
フィン「頷)ああ。そんな噂で持ち切りだ」
ケイト「そんなの鵜呑みにしないでよ!^^;
流石にそれほどの無茶は…;」
フィン「しないと言い切れるのか?」
ケイト「え?;」
フィン「完璧に龍人化を会得するまで散々無茶をし続けた君が…
言えるのか?」
帰宅できたのは、夕方を越した頃だった…
真っ直ぐに目を見つめて言うと…
ケイト「………;」ふいっ←そっぽ向く
フィン「別に責めているつもりはない。
ただ…何かあってからでは、遅過ぎるんだ」
ケイト「…せめて、悪阻が収まってから?」
フィン「そうだね…
実質的に身体を動かすのはそのくらいとしておいて…」
ケイト「誘拐事件の時、ちゃんと動けていたけれど?;」
フィン「無茶をしない範囲ならいいんだ。
後は…人当たりを、少しだけ強くして欲しいな。
せめて、「人のことをとやかく言ってる暇あるの?
随分余裕あるんだね」ぐらいは言ってもいいと思う」
ケイト「やり過ぎじゃない?;」
フィン「まだまだ物足りないぐらいだ。
それ以上のひどいことを散々に言われているのに、何故言い返そうとしない?」
ケイト「だって痛いじゃん、心が」
フィン「人が痛い思いをするならやめるのか!?」
ケイト「うん」頷&真剣
フィン「……それが…君が、自分で選んだ道だと?」
ケイト「うん」頷&真剣
フィン「…これ以上は無理かい?」
ケイト「うん(頷&真剣)
そうでなきゃ…あの世に帰って、皆に会った時…胸張って会えない。
位を上げる為じゃない。自然と、考えてしまうんだ。
それが…私で、位の高い人特有の性質なんだって、昔じっちゃんからも教わった。
精霊王も、ちゃんと視えるみたいだから」
フィン「…変わらず、か;」嘆息
ケイト「最も譲れない部分、ナンバーワン!」きっぱり
フィン「はははっ…^^;
心配していたというのに…」
ケイト「ちゃんと受け取った」真剣
フィン「…ケイト?」
ケイト「受け取ったから。
想ってくれてる、愛情は^^//」
涙を浮かべながら、彼女は笑った。