第49章 真の力
ケイト「自分の行動に責任を持て。
持てないのなら、最初からするな。
自分の取る行動には責任を持つこと。
冗談なら冗談と言い、被害者にフォローすること。
された側の心身に則って、考えて行動すべきこと。
それができず傷を慢性化させていくのがいじめだ。
もし容疑を否定されたら、「人を好きに罵倒できるぐらい心に余裕がある輩が何言ってる?」と返せ。
「本当に余裕のない人ってのはそんな気力も糞も残されてないから」とも」
フィン「…これは中々、くるものがあるね」ごくり
ケイト「ちゃんと実体験踏んだ上での言葉だよ」
フィン「ということは…あれかい?
いじめっ子達は皆、心に余裕があるから人を追い詰めて苦しむ様を見ることを嗜んでいると」
ケイト「そうなるね。
それを見て良心や心が痛んでいるのなら最初からしないし、そもそもできない。
私が仕返しできないのも…それでだし」
フィン「…少しは…」
ケイト「?」
フィン「少しは…自分の命を、大事に想えるかい?」
ケイト「…(俯)
…今では…
今では…ちゃんと、大事にしているつもり…だよ」←フィンの双眸を見やる
フィン「…そうか…ならいいんだ。
…ただ…これだけは言わせて欲しい。
また…粗末に扱えば、その時は是が非でも止めに入る人がここにいる。
君を想っている人は、僕だけじゃない。
それを、忘れないで欲しい。
あんな慣習に、長年の習慣に負けないで欲しいんだ」
ケイト「……頑張るよ…難しいけど」
フィン「百も承知で言っているのはこちらの方だ。済まない」
ケイト「頭を振る)ううん。私の…癖みたいなものだから;」
フィン「長年の周囲から押し付けられてきた環境で癖がついてしまったのだとしても…
自分で、自分を殺そうとまではしないで欲しい。
大事な人なんだ、君は…(ぎゅっ)←ケイトの手を取って握り締め、真剣な表情で双眸を見つめる
僕にとっても、周りにとっても…
今や、君は…たくさんの人の命を救っている。
君を苦しめてきた…
助けになる所か、人を追い詰めて苦しむ様を見て笑う連中とは根本的に違う。
君は苦しむだろうそれを予測してしまえば、人に対して何も出来ない。
それは君の美点でもあり、優しさでもあり…また、同時に甘さでもある。
付け入られる隙だとしても、無くして欲しくない」