第49章 真の力
その後、発明についてもずっと考え込み続けていた。
ケイト「でも発明するにしても、他の事業が潰れないようにしないと;」う~ん
フィン「ケイト…そんなに気を回すことは;」
ケイト「回すに決まってんでしょ!!雇用者が居るんだよ!?倒産ってことは路頭に迷うんだよ!?
家族も労働者も路頭に迷わせといた元凶はこっちになっちゃうんだよ!?その責任取れんの!!?」
フィン「責任感じ過ぎじゃ?;」
ケイト「わかってて無視する方がよっぽど嫌じゃ!!」
ぷりぷりと叫んでから、なお考え込む。
後に、ケイトは『発明の神』と呼ばれた。
真の力とは…
領民からどれほど心を寄せられるか、支持率なのかもしれない。
人の目線と立場に立ち、相手の為に動くことができる。
支持率とは…それが増すほどに上がる。
どれほど強大な力や権力を持とうとも、決して付け上がらない。
飾らず、ありのままで向き合おうとする。
差別もせず、態度も変えない。
温かく、優しい…傷付けないよう細心の注意を払っている。
たとえそれが敵であったとしても…事情あってのものならば加味して止まる。
そういう人柄があってのものだと、僕は思う。
英雄譚と呼ばれるそれを地で行くばかりか、予想をいい意味で裏切り続ける。
その先を見たいと、死なないで欲しいと、気付けば切に願ってしまっている。
求心力とでも言うのだろうか…
彼女が言う言葉はどれも裏が無く…考えてないようで、相手を常に第一に考えてのものばかりなのだ。
そういう性質あってか、接する側からすれば…心が惹かれやすいとも言える。
いじめをした人達への死罪(1823ページ参照)の処刑に関しては…
十字架に磔にし、ケイトが刀で直々に切り捨てるといった手法を取られている。
しかし、実の所を言うと…切り捨てられた瞬間、国の外へ瞬間移動。
永久国外追放、アルルェーチェ街と空中都市コクーンの立ち入り拒否。
泣いて縋っても絶対に揺るがない。
金をどれほど積まれようとも受け取らず却下自体を拒否。
ただし、追い出された後の生活はきちんと保障済みにされており、家族ともいつでも再会できるようにしていた。
そのあたり、実にケイトらしいとも言える。
その死罪に対する処刑方法についても、散々僕達で話し合われた…
当時のやり取りを次のページに記す。