第49章 真の力
ケイト「まあ…ゆくゆくはさ…
どんな違いがあっても、それごと個性だって認めて…受け入れてくれる。
そんな人達に育って欲しいし、それが当たり前となって欲しい。
そういう国を、創りたい。皆で…一緒に。
同志になってくれれば…なお嬉しいんだけれど^^;
中々難しいよね」汗&頬を掻く
フィン「僕は既に同志だ…
きっと…皆も同じだと思うよ」
領民達は皆、元々住んでいた国で…迫害や差別を受けていたばかりの人達だった。
大した違いもないのに、些細なそれで決め付けて非難されたり
それ以外にも、皆…身分等による差別を受けて苦しんできた人達ばかりだった。
泣いて、泣いて、泣いて…苦しんで、痛め付けられて、散々な目に遭い続けてばかりいた……
だからこそ…ケイトの意見は実に希少で、圧倒的な支持率を得ていた。
この国は、未来永劫続くだろうことが予見できた。
皆で支え合い、理解し合い、繋がり合い…
苦手で距離を置く人があろうとも、距離を置かない人達同士が間に入り繋がり合っている。
弱者(強者に虐げられる者)に寄り添い、救い、
強者(自分に間違いがないとする勢いのある者、横暴な者)をくじき、こらしめる。
勧善懲悪。
善を勧め、悪を懲らしめること。
しかし、それらは全て他の視点、思想によって変わる。
だからこそそれを学び、社会における連携の肝(きも)、礎とする。
違いは気付きを得る為に必要、己の器を拡げる為の大切なものとして教えられた。
差別を受ける痛み、苦しみ、辛さ…
身を粉にしてもなお与えられる侮蔑、身分差や他との違いによる迫害…
些細な違いであっても、大衆にとって違うと重なれば皆敵に回り、味方がいないor少ないのをいいことに虐め、
自分達への残虐かつ残酷な行為は全て正しい行為とされ、他にもするよう強要及び恐喝すること…
平然とそれらを与えられる世界、社会の残酷さ、人の醜さ。
最後の最後で女神が助けに入り、生活を保障した上に疲れ切った我々を誠心誠意もてなしてくれた。
あんな社会になどでなく、新たな社会を共に造り上げようと、温かで穏やかな優しい日常…普通を齎してくれた。
そしてそれが女王であった。
『理想郷の領主』と書かれた漫画は盛大な身バレ&莫大的な支持を生み、
空中都市コクーンとケイトを知らない者は誰も居なくなった。