第49章 真の力
フィン「ケイト…テストや試験の結果を加味しないというのは、投げるという選択肢もできてしまうのでは?」
ケイト「世界を回って知ったでしょ?
サボる人はいずれにせよサボる。強要しても本人が自分からやらなきゃ何の意味もない。
結局は…本人の意思によって変わるのさ」
フィン「…それはそうだが…」
ケイト「その為に特別学び舎がある。
年を取って、後々になってから…こう思う人達も居るだろ?
勉強しておけばよかった。
今でも遅くないだろうか。
そんな人達の為に、好きな年代が好きなことを学べるような場所とする。
その為に作ったんだ。
仕事で必要となる知識を学ぶ為の使用でもOK。
一番大事なのは…本人が、自分の持っている知識を「正しいこと」「優しいこと」へ生かせるかどうかだ(微笑)
誰に何と言われようと…一番大事なのは、人柄だと思う。
それにも長所も短所もあるけれど…
人との付き合いによっては、嫌だと感じる部分もあるから」
フィン「…なるほど…
今後、生きていく上で重要になるからか。
その気の時にやる方が楽しんでできるかな?」
ケイト「うん!
じゃんじゃんできるから、もっともっと楽しいって思えると思うんだ^^」
フィン「…なるほどね。
負の連鎖ではなく、正の連鎖へ導く為か」
ケイト「無理に強要する姿勢、自己の普通こそが世間の普通だとする固定観念、
それらを払拭しないと、いつまでも生き生きと生きられないよ。
皆、各々違う。
だからそれらを聞き合って、受け入れるんだ。
皆、違った見方がある。考え方も違う。だから感じることも異なるし、意見も違う。
それをお互いに言い合って、聞き合うんだ。
どこまでなら譲れるか、譲れないか、今後の付き合いの為にもその把握をする為にもね。
どうしても譲れない部分なら、無理に聞かなくていい。そう学び舎の規則に明確化しているから。
大切なのは…互いに、気付きを得ること。
だから、勉強を互いに補佐しつつの交流所みたいになっちゃうけれど…」
フィン「いや…個人に求められるのは、まさにその形なのだろうね」微笑&頷
それらの規定を手帳として纏めつつ、神の力で早朝にケイトによって建てられた学び舎に通うことを決めた生徒達へ配るよう指示した。
5~15学年、4~14歳は通う義務教育を定義付けて領民へ報せた上で。