第49章 真の力
フィン「給料を君一人で出すことにもなるわけだけれど…後悔はしないんだね?」
ケイト「ない!
その為にお金のない人達からむしり取るぐらいなら、最初から学び舎なんて事業しない方がよっぽどマシだ!」
フィン「…実に…君らしいね。
私情の為に、足長おじさんにでもなる気かい?」
ケイト「うん!
そもそもさ、全員不遇な扱いを受けてきた人達ばかりじゃん!
スラムだったりその日暮らしだったり奴隷に売りに出されかけてる人達でしょ!?
それがようやく幸せを謳歌しようって時に金なんざ要求できるか!!」
フィン「うん。僕も一枚噛ませてもらうよ」
ケイト「ホント!?」ずいっ!!
フィン「頷&微笑)ああ。←両手を前で組み、肘を机の上に置く
皆が教養を持ち、計算も読み書きもできればより水準は満たされていく。
学は、ないよりはあった方がいいことに違いはないだろうからね。
所で…学び舎の方針は?評価の仕方の」
ケイト「評価するのは仁徳、人格だよ」
フィン「!!?
学ぶ為にあるんじゃ?;」
ケイト「出来不出来なんて違って当然じゃん。
比べてどうすんのさ。
まず出来てる部分と出来てない部分を目の前に見せて教える」
フィン「ふんふん。それで?」
ケイト「どうしたい?って聞く」
フィン「!?;
普通…出来ないことを出来るように励むべきじゃ?;」
ケイト「心の余裕ない人にまで強要して?」じと目
フィン「!」はっ!
その言葉に、僕はケイトの言わんとすることを理解した。
フィン「そうか…他人の普通を押し付けないこと、か」
ケイト「うん。
出来ないほどしんどい時は、出来ないなりにどう生かすか。
どう進んでいきたいかを聞いて、本人の希望に任せる。
本人にその気がないのに頑張っても意味ないじゃん。身に付くわけないし。
本人がやる気か否かで、随分と効率もペースも変わるよ?
しんどい時に無理に頑張っても、余計しんどいだけさ。
本人の為にもならないし、ちゃんと考えるべきだよ。
目先のことばっかり求めるんじゃなくってさ」
つまりを言うと、テストや試験の結果だけで評価を決めないということになる。