第49章 真の力
ケイト「そういう所ばっかり重要視する教育体制だからいじめが生まれるんだろうが。
やめなさいやめなさいって言ってやめるんなら最初から苦労しないよ。
生まれてきた環境があれだから言わせてもらうけどさあ。
謝ったり声あげたら余計に殴られる環境だったの。
何か言えば鬱憤晴らしの大義名分を得たとばかりにやってくんの!
そういう環境だったりで、特殊な事情がある人の場合は…できないことの振れ幅が大きいの。
自分にとって当然だと考えているそれが、相手にとってそうじゃないなんてことはあって普通なの!寧ろ無い方がおかしいわ!
拘りなんぞ人それぞれ、風習も違うし環境も違う!出来る出来ないも違って当たり前!!
謝るのが出来ない?怒りの波動感じたら動けなくなっちゃうんだよ!
そういうのが習慣だったから無理なんだよ!!声も動きもできなくなるの!!そういう環境だったの!!!
なりたくてなったんじゃねえわ!!!
ぜえーぜえー!」
フィン「どおどお」
ケイト「ごめん…ちゃんと、落ち着いてるから…
何が言いたいかって言うと…
周りに合わせて当然って輩が多すぎるんだよ。
それも…個人個人が自分に合わせて当然。って感じにさ。
自分こそが普通だって皆思ってる。
で、一際違うのを見ておかしいってことでいじめる。
変わり種を見つけて、お前だけが変だと狂ったように執着する。
それによって尚更に出来ないことが増やされていく。それも人為的に。
だから無くならないんだよ。
いじめをした輩は就職不可。
その犯罪歴があるだけで入店も拒絶。誰も彼もが否定。
それぐらいしないと、自分が冗談なんて軽い気持ちでやっていたこと、その罪も、重さにも、実体験しなけりゃ気付けやしないのさ。
社会版で例えて、ようやくやってることの重さに気付くんだ。
これで気付かなかったらむこう千年は地獄で修業させられるだろ。
まさに、自分で巻いた種だ」
フィン「それはそれとして、教育体制をどう変えるつもりなのかな?
団体行動は必要だけれど」
ケイト「それがあるから、いじめがある」
貫くべき教育理念、そこの所をはっきりして欲しい為…
僕は再び、口を開いた。
寝室の隣の机と椅子がある部屋で、机を挟んで向かい合ったまま…